言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】早々にの意味や使い方と語源や敬語表現!ビジネスや手紙での違いも

仕事において、日々の業務はできるだけ早くこなしたいと思っている人は少なくないはずです。

しかし、実際のところは相手からメールがなかなか返ってこなかったり、自分がメールを催促されてしまったり…なんていうことはありませんか?

そんな、時間に追われる日々の仕事でぜひ使ってみていただきたいのが、今回ご紹介する「その状態になってすぐ」、「急いで~する」という意味

「早々に」

という言葉です。

今回は、この「早々に」という言葉の意味や類語のご紹介に加えて、ビジネスや手紙における使い方とその注意点について解説します。

ぜひ最後まで読んで、日々の業務で使ってみてくださいね!

スポンサーリンク

目次

「早々に」の意味や語源をわかりやすく!

早々に 意味

「早々に」の意味や語源1:「その状態になってすぐ」または「急いで~する」という意味

「早々に」(読み:そうそうに)とは、

「その状態になってすぐ(ある時期の初め頃)」

「急いで~する」

という意味を持つ言葉です。

「早々(=早早)」という言葉の辞書的な意味を見てみると、

1:[名]その状態になってすぐの時。多く、他の語の下に付いて用いられる。

「開店早早から忙しい」 「会う早早用件を切り出す」

2:[副]急いで物事をするさま。はやばや。

「あのようすだと早早帰るだろう」 「早早に用事を済ませる」

(小学館デジタル大辞泉より)

となっています。

「早々に」の場合には、

・「来月早々に完成します」(来月になったらすぐ完成します)

・「早々に撤収する」(はやばやと撤収する)

というように、どちらの意味でも使うことができます。

「早々に」の意味や語源2:元々の意味は「時間を置かずに」

「早々に」の元々の意味は、

「時間を置かずに」

という意味です。

この「早」(読み:ソウ)という漢字には、

1:ある時間の範囲で、はやいほう。 「早期・早春・早朝・早晩」

2:通常の時期よりはやい。 「早婚・早産・早熟・早世・早退/尚早」

3:時間をおかないさま。 「早急・早早」

(小学館大辞泉より)

という意味があります。

そのため、例に挙がっている通り、

「早々に」とは「時間を置かずに」という意味

になります。

「早々に」の使い方のまとめ!ビジネスや手紙で正しく使うには

早々に 使い方

「早々に」のビジネスでの使い方!口頭や文書、メールで「早く~する」「ある時期の初め頃」

「早々に」をビジネスで使う場合には

・口頭

・文書

・メール

において、

「早く~する」

「ある時期の初め頃」

という意味で使われます。

例えば

・相手に何かを早くするよう求める

→「早々に対策を講じていただきますようお願い申し上げます」

・相手が早く行動してくれたことに感謝する

→「早々にご返信いただきありがとうございました」

・ある時期までに何かをする/してほしい

→「来年早々の開店を目標に準備中です」

→「来月早々に一度お会いする機会を設けていただけますと幸いです」

といった使い方をします。

「早々」の使い方2:「草々」との違い!手紙で「前略」に対しては「草々」が正しい

「早々」の使い方として

手紙の結びとして「前略」で始めて「早々」で終わる

と覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、

✕ 手紙の結びとして「早々」を使うのは厳密に言えば誤り

です。

〇 正しくは「草々」(読み:そうそう)を使います。

この2つの言葉の意味を比べてみると、次のようになっています。

「早々」

・その状態になってすぐの時

・急いで物事をするさま

「草々」

・簡略なさま。粗略なさま。

・あわただしいさま。忙しいさま。(匆匆、怱怱とも書く)

・手紙文の末尾に、急ぎ走り書きをしたことをわびる意で、書き添える語。 「前略」「冠省」などと照応して用いる。匆匆。

(小学館デジタル大辞泉より一部参照)

つまり、辞書の意味を見る限りでは、「早々」は手紙の結びとして使わないということになります。

しかし、

・「そうそう」という読み方が同じであること

・「急いで」「忙しい」という似た意味があること

などから「早々」を使う例も増え、現在では「早々」で構わないとする考えもあります。

また、緊急の手紙には「早々」を使うとしている場合もあるようです。

とはいえ、言葉の正確さもマナーのひとつですので、

基本的には「草々」を使うほうが無難である

と言えます。

ちなみに、「前略」と対応する結びの言葉には、

・不一(読み:ふいつ。十分に意を尽くしていないこと。草々と同じように使う)

・かしこ(差出人が女性の場合に使う)

・敬具(お詫びの手紙の場合に、深いお詫びを表すために使う)

といった言葉があります。

その手紙の内容に応じて、ふさわしい言葉を選べるようにしたいものですね。

「早々に」の使い方3:遅れて出す年賀状に「早々に」を使うと上から目線になるので避けたほうが無難!

「早々に」という言葉をよく使う機会として、もう一つ挙げられるのは年賀状ですね。

しかし、遅れて出す年賀状に使う場合

「早々に年賀状をいただき…」といった文を書くのは避けたほうが無難

です。

「元旦に郵便受けを見たら、出していなかった相手から年賀状が届いていた」というのは、誰しも経験があることでしょう。

そんな時によく使われる「早々に」を使った文章が、

・早々に年賀状をいただき、ありがとうございます

・早々に新年のご挨拶をいただきありがとうございます

といったような「早々に」を使った文です。

繰り返しになりますが、年賀状の文例としてこういった文を見かけることもありますが、

「早々」を目上の人に使うのは避けたほうが無難です。

というのも、

「早々に」という言葉

自分と同じ立場か、目下の相手に対して、早くやってくれたことをねぎらうために使う

という考えがあるからです。

つまり、「早々に年賀状を…」というのは、くだけた表現ならば

「ちゃんと早く届くように年賀状を書いてくれてありがとうね」

ということになります。

これだと、ずいぶんと上から目線の新年のあいさつになってしまいますよね。

ですので、目上の人から先に年賀状をいただいてしまった場合には、

・「早々に」は使わない

・通常通り、新年の挨拶や旧年中の感謝、自身の近況などを述べる

・どうしても気になる場合には「ご挨拶が遅れ申し訳ございません」といったお詫びの一文をつける

といった対処が無難だと言えるでしょう。

ビジネス文書を早く書くためのコツとは?

さて、ビジネス文書やメールは「早々に」処理するのが望ましいのですが、なかなかそうも行きませんよね。

他の仕事が忙しいというのもありますが、それよりも

・普通に書いているつもりなのに、なぜかやたら時間がかかってしまう…

・書いている途中で文を入れ替えたりしていると、何を書きたかったのか自分でもわからなくなってしまう…

・ついつい「ビジネス文書 書き方」で検索してしまう(でも、欲しい答えは見つからない)…

といった具合に、文章を書くということ自体に時間がかかってしまうという方も多いのではないでしょうか?

そんな方に一度読んでいただきたいのが

『何を書けばいいのかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』

という本です。

この本は、「うまく」「はやく」文章を書くためには、

・何を書くのかをはっきりとさせる

・材料を集め、伝えることを決める

・文章にする

といった流れを取ることが大切だと説いています。

よく、文章術の本というと「こういう書き方はNG!」「こう書けばOK!」というような、アイディアを文字に落とし込む際のテクニックに終始していることが多いですよね。

ですが、この本はそれ以前の

「文字を書く前にするべきこと」から丁寧に解説している

という点が特徴です。

そのため、ビジネス文書以外にも、個人のブログやSNSなど、さまざまな文章に応用できる

「ゼロから文章を書くまでの方法」

を身につけることができます。

・文章を書く業務をスピードアップしたい、スキルを上げたい

・もっと効果的に人に伝わる文章が書けるようになりたい

・文章が上手な人はどうやって書いているのか知りたい

という方には特におすすめですよ。

「早々に」の敬語表現と注意点をチェック!

早々に 敬語表現

「早々に」の敬語表現1:目上の人に使うのは「自分の行動」「ある時期のはじめ」のみ!

「早々に」という言葉の敬語表現は、

・「早々に」は相手をねぎらう意味を持っている

・目上の人に対して使える場面は「急いで~します(自分の行動)」「ある時期のはじめ」という意味のとき

・目上の人に対して「急いで~する」「早くに」という意味で「早々に」を使う場合は、上から目線になってしまうので避ける

というのがポイントです。

年賀状での使い方で触れましたが、

「早々に」という言葉は相手をねぎらう言葉であり、目上の人に対して使うのにふさわしくありません。

また、人によっては「早くしろ」と急かされていると感じてしまうこともあるでしょう。

ただし、

「この件は私が早々に対処いたします」

→自分の行動

・「来週早々には必ず結果をご報告いたしします」

→ある時期のはじめ

というように、「早々に」を使っても目上の人の行動に関わらなければ問題ありません。

「早々に」を目上の人の行動について使いたい場合には「迅速」や「早速」に置き換えよう

「早々に」を目上の人の行動について使いたい場合には、

・迅速に

・早速の

といった言葉に置き換えましょう。

例えば、

早々にご対応いただき」→「迅速にご対応いただき」

早々にご連絡いただき」→「早速のご連絡をいただき」

といった具合です。

なお、「迅速」や「早速」は敬語ではないので、

その後に続く部分を正しい敬語に変えること

を忘れないようにしてくださいね。

「早々に」の敬語表現2:目上の人への手紙(封書)の結び…「拝啓」で始めて「敬具」で結ぶ

目上の人に宛てた手紙の場合、

「早々(草々)」を結びとする手紙は避けたほうが無難(※封書の場合)

です。

というのも、「前略」や「早々(草々)」は

「挨拶を略した、親しい相手向けの簡略化された手紙」

とされています。

なので、目上の人に宛てた手紙の場合には、

「拝啓」「敬具」、「謹啓」「敬白」を使って、きちんと手紙の基本形式を踏まえて書いた方がよい

ということに注意しましょう。

また、復習になりますが、

手紙の結びとしては「早々」よりも「草々」を使う

ようにしてくださいね。

「早々に」の類語表現をチェック!

早々に 類語

「早々に」の類語1:「その状態になってすぐ」の類語は「早いうちに」「初期の段階で」

「早々に」を「その状態になってすぐ」という意味で使う場合の類語には、次のようなものがあります。

・早いうちに

・初期の段階で

・早期に

・早い時期に

なお、「来月早々に」のような場合には、

「来月上旬の段階で」というように、「上旬」や「前半」といったその期間の初めごろを表す言葉を添える

ことで「早々に」と同じような意味になります。

「早々に」の類語2:「早々に(=急いで~する)」の類語は「早急に」「迅速に」

「早々に」を「急いで~する」という意味で使う場合の類語には、次のようなものがあります。

・早急に

・迅速に

・間を置かずに

・時を置かずに

・速やかに

「早々に」の例文やよく使われる言い回しをチェック!

「早々に」の例文やよく使われる言い回しをまとめてみました。

「早々に」の例文1:「早々にご連絡いただき」

例文1

この度は早々にご連絡いただきありがとうございました。

例文2

早々にご連絡いただきまして、誠にありがとうございます。

例文3

早々にご連絡いただき、感謝いたします。

「早々に」の例文2:「早々にご対応いただき」

例文1

早々にご対応いただきましたこと、御礼申し上げます。

例文2

見積書の訂正の件、早々にご対応いただけますと幸いです。

例文3

急なお願いにも関わらず、早々にご対応いただきありがとうございました。

「早々に」の例文3:「早々にお返事をいただき」

例文1

早々にお返事をいただき、誠にありがとうございました。

例文2

可能でしたら早々にお返事をいただけますと幸いです。

例文3

お尋ねした件につきまして、早々にお返事をいただきありがとうございます。

「早々に」の例文4:「早々にご返信いただき」

例文1

早々にご返信いただき、ありがとうございます。

例文2

早々にご返信いただけますと助かります。

例文3

早々にご返信いただきました代替案ですが、一度検討した上でどちらの案を採用するのか改めて決定したいと考えております。

【1分でわかる!】早々にの意味や使い方と語源や敬語表現、また、ビジネスや手紙での違いのまとめ

最後に、「早々に」の大切なポイントをおさらいしましょう。

【意味】

1:その状態になってすぐ

2:急いで~する

【語源】

「時間を置かずに」というのが元々の意味

【使い方】

■ビジネス

・基本的には「早く~する」「ある時期の初めごろ」を表す

・口頭、メール、文書のいずれでも使える

・「早く~する」の用法では、目上の人の行動について述べるのは失礼
=「迅速」「早速」に置き換える

■手紙

・「前略」に対する結びとして「早々」を使うのは厳密に言えば謝り(本来は「草々」)

・「早々」を結びに使うのは避けたほうが無難

・目上の人に対し、ハガキではなく封書で手紙を書く場合、「前略」「早々」を使って挨拶を省いてしまうのは避けるべき(「拝啓」「謹啓」「謹啓」「敬白」などを使い、きちんと挨拶から書く)

■年賀状

・出していない相手から年賀状が届いた場合、返礼に「早々に年賀状をいただき…」とするのは避けるべき

・通常通り、新年の挨拶や近況を述べ、気になるようならお詫びの一言を添える

【類語】

■「その状態になってすぐ」

・早いうちに

・初期の段階で

■「急いで~する」

・早急に

・迅速に

ビジネスにおいて、スピーディーに業務をこなすことも大切ですが、目上の人や同僚、お客様へのマナーに気を配ることも大切です。

ぜひ、今回の記事を参考にして、「早々に」という言葉を日々の業務で使ってみてくださいね!

【今回ご紹介した本はコチラ!】↓

『何を書けばいいのかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』

(山口拓朗 著 / 日本実業出版社)

何を書けばいいのかわからない人は、文章の材料集めができていなかった!?

文章の材料=情報の集め方から、「何を書けばいいのか」を決める方法、実際の文章の書き方までを徹底解説!

文章をうまく、はやく書いている人の文章術を学べば、もう文章を書くことに困らない!

メールや文書、ブログまで、すべてサクサク書けるようになる!