言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】勘案するの意味と使い方や例文!同義語や類義語と鑑みるとの違いも|ビジネスマナー

ビジネスの場に限らず、大人であれば何かを考えて判断する場面が何度もあります。

常に自分の考えだけで即断即決!…というのも悪くありませんが、大人たるもの、できれば周りの人の心情をはじめとした様々な事情にも気を配っておきたいものですよね。

そのような、様々な事情を考えて判断するという状況になった場合に使いたいのが、

「あれこれと考え合わせる」という意味の「勘案する」

という言葉です。

今回はこの「勘案する」という言葉について、言葉の意味や使い方、また、同義語や類語といった基本的な情報から、同じような意味を持っている「鑑みる」との違いと例文などについてもご紹介していきます。

「勘案する」の意味は「あれこれと考え合わせること」

勘案する 意味

「勘案する」(読み方:かんあんする)とは、

あれこれと考え合わせる

という意味を持つ言葉です。

この「勘」という字は、

「勘で答えたら正解した」という場合の「直感」

という意味で使うことが多いかもしれませんね。

その他にも、この「勘」には、

「考え合わせる、つき合わせて調べる」

という意味があります。

たとえば、お店でよく使う「お勘定をお願いします」というのはこちらの意味です。

そのため、「考え」や「計画」を表す「案」という文字と合わせて、

さまざまな状況とあわせて、あれこれと何かを考えること

という意味が生まれます。

「勘案する」の使い方

勘案する 使い方

「勘案する」は「ある事情や心情を含めて考える」というときに使う

勘案する」という言葉の意味は

「あれこれと考え合わせる」

という意味でしたね。

実際には

・相手の事情や心情を含めて考える

・相手の心情に配慮して考える

というときに「勘案する」という言葉が使われます。

言い換えると、

諸々の事情やそれに関わる人の心情を含めて考え、何かの判断を下す必要があるときに「勘案する」

という言葉が用いられます。

ちなみに、この「勘案する」という言葉国会の答弁や政府が発行する白書、省庁や自治体が発表する文書といった、いわゆる「お役所仕事」でよく使われる言葉です。

たしかに、政治的な判断を下すためには、様々な事情や人々の心情をよく考える必要がありますよね。

しかし、それゆえに「堅苦しい」「空々しい」という印象を持たれてしまうこともあります。

そんな時には、このあとご紹介する同義語や類語に置き換えてみるといった工夫をしてみてくださいね。

「勘案して」「勘案するに」などの「勘案する」を使った表現パターンをチェックしよう

「勘案する」という言葉は、他にも次のような派生表現があります。

・勘案して

・勘案するに

・勘案いたしまして

・勘案しつつ

・勘案しながら

言葉の表現パターンをもっと増やす方法とは?

さて、「語彙力」というのは、誰もが欲しいと思っているものではないでしょうか。

様々な言葉を知っていて、それをビジネスの場や日常生活で活用している人を見ると、

・知的な人

・仕事ができる人

・年齢以上に落ち着いて見える

・頼りがいがある

というような印象を受けますよね。

そんな「語彙力のある大人」になるための第一歩となってくれるのが、

『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』

です。

この本は、厳選された200の言葉を、「仕事がなめらかに進む挨拶の定番表現」といった7つの場面に分けて解説しています。

また、使い方の解説や例文だけにとどまらず、語源やその言葉の持つニュアンスについても解説されているのが特徴です。

そのため、ただの付け焼き刃の知識ではない、本当の語彙力が身につく本だと言えるでしょう。

・どんな言葉を選んだらいいかわからない

・いつも同じ言葉ばかり使ってしまう

・学生のような言葉遣いが恥ずかしい

そんな方はぜひこの本を読んで、大人の語彙力を身に着けてくださいね。

「勘案する」の同義語・類語

勘案する 類義語 同義語

「勘案する」の同義語は「検討する」「思考する」等

「勘案する」の同義語には次のような言葉があります。

・検討する

・思考する

・思案する

・熟考する

「勘案する」の類語は「考慮する」「考察する」

「勘案する」の類語には次のような言葉があります。

・考慮する

・考察する

・慮る

・視野に入れる

「勘案する」と「鑑みる」の違いは「考えるための材料」

「勘案する」という言葉

「あれこれと考え合わせる」

という意味ですが、

同じように何かを踏まえて考えるといった意味の言葉に

「鑑みる」

があります。

この「勘案する」と「鑑みる」の違いは、

・「勘案する」=複数の事情や条件を合わせて考える

・「鑑みる」=過去の例や手本などに照らして考える

という、「考えるための材料」にあります。

両者の違いをきちんと捉えると、このような文ができます。

「昨年の販促イベントでのスタッフ不足による混乱に鑑みて、今年はスタッフの増員やお客様への事前連絡の徹底を勘案する必要がある

つまり、年のイベントでスタッフが不足して混乱したという

「過去の例に照らして考えた」結果、

今年はスタッフの増員やお客様への連絡といった再び混乱を起こさないため

「複数の条件を考える」必要がある

というわけです。

この例は少々極端ですが、このようなニュアンスの違いがあるというのを覚えておいてくださいね。

「勘案する」を使った例文

「勘案する」を使った例文には次のようなものがあります。

例文①

需要があるとはいえ、商品を受注する際には、工場の生産能力を勘案する必要がある。

例文②

時代の変化によるお客様のニーズを勘案いたしまして、この度、商品リニューアルを実施することになりました。

例文③

若手社員が考案した商品の思わぬ大ヒットから勘案するに、今後は若手が意見しやすい職場を作っていくことが急務だろう。

例文④

お客様それぞれの事情も勘案しつつ、こちらもお願いするべきところはきちんと伝え無くてはならない。

【1分でわかる!】勘案するの意味と使い方や例文、また、同義語や類義語と鑑みるとの違いのまとめ

いかがでしたか。

今回ご紹介した言葉 「勘案する」 について、大切なポイントをもう一度振り返ってみましょう。

【意味】

あれこれと考え合わせる

【使い方】

ある事情や心情を含めて考えるときに使う

※「鑑みる」=過去の例や手本に照らし合わせて考えるときに使う

【同義語】

・検討する

・思考する

【類語】

・考慮する

・考察する

【例文】

例文①

需要があるとはいえ、商品を受注する際には、工場の生産能力を勘案する必要がある。

例文②

若手社員が考案した商品の思わぬ大ヒットから勘案するに、今後は若手が意見しやすい職場を作っていくことが急務だろう。

様々な事情をきちんと考えるには、広い視野が必要になります。

ぜひ今回の記事を参考にして、「勘案する」という言葉を使ってみてくださいね。

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