言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】考慮するの意味や使い方と例文!同義語や類語と敬語表現も

「よく考えて決断する」、これは社会人に求められるスキルのひとつです。

しかし、この

「よく考える」というのがなかなか難しい…

と感じている人も多いのではないでしょうか?

というのも、ただ単に自分が「こうしたい」という感情だけではなく、

・その場の状況

・相手の気持ちや自分の立場

といった、さまざまな要素のバランスを取らなければならないのが大人にとっての「よく考える」だからです。

ですが、こんな複雑なことをひと言で表してしまうことができる言葉があるのをご存知ですか?

それが、今回ご紹介する

「周囲の状況などを含めてよく考える」という意味の

「考慮する」

という言葉です。

この記事では、この「考慮する」という言葉の

・意味

・使い方

・同義語や類語

といった基本的な知識を、例文を交えつつ、わかりやすく解説していきます。

また、

・「考慮する」と似ている「鑑みる」「配慮する」との違い

・「考慮する」を目上の人に使う場合の敬語表現

といったプラスαの知識もご紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

「考慮する」の意味は「周囲の状況などをを含めてよく考える」こと

考慮する 意味

「考慮する」(読み:こうりょする)とは、

周囲の状況などを含めてよく考える

という意味です。

ちなみに、この言葉は

「考える」と「慮る」

が合わさってできています。

「慮る」は、あまり使い慣れない言葉かもしれませんが、これで

「おもんぱかる(もしくは、おもんばかる)」

と読みます。

「慮る(おもんぱかる)」の意味

周囲の状況などをよく考える。思いめぐらす。 

(小学館デジタル大辞泉より)

です。

そのため、この「考慮する」という言葉

周囲の状況などを含めてあれこれと思いを巡らせる

という意味を持つのです。

「考慮する」の使い方まとめ!使うタイミングや使用例とよく使われる言い回しも

考慮する 使い方

「考慮する」の使い方①使うタイミングは「何かの条件を含めた上で」行動する・物事を判断するとき

「考慮する」を使用するタイミング

何かの条件を含めた上で行動する・物事を判断する

ときです。

「考慮する」の使い方として例文を挙げると、

例文1

・今月の発注数は、先月の売上実績を考慮した上で決めるべきです。

(先月の売上実績を含めて、今月の発注数を決める)

例文2

・作業中に機械が高温になることを考慮し、手袋とゴーグルは必ず装着すること。

(事故が起こる可能性を含めて、安全策をとる)

例文3

・研修期間中であったことを考慮すれば、今回彼が十分に対応できなかったことは仕方がない。

(彼が研修期間中だったことを含めて、対応を判断する)

などがありますね。

このように、「考慮する」の使い方で重要なのは

何かの行動や判断を決定するときに、過去の状況やこれからの可能性といったさまざまな条件を含めて考える

ということです。

「考慮する」の使い方②「考慮に入れる」などよく使われる言い回し

「考慮する」のよく使われる言い回しには、次のようなものがあります。

・考慮を要する

周囲の状況などを含めてよく考える必要がある

・考慮に入れる

周囲の状況などを考えるための条件に加える

・考慮すべき

周囲の状況などを含めてよく考えたほうがいい

・考慮したうえで

周囲の状況などを含めてよく考えた後に

・考慮の余地がない

周囲の状況などを含めてよく考える余裕がない(=考えられない)

「考慮する」を使った例文をチェック☆

ここまでに紹介したものを含めて「考慮する」を使った例文をまとめておきます。

使い方を文の中で確認してみてくださいね。

例文1

・今月の発注数は、先月の売上実績を考慮した上で決めるべきです。

例文2

・作業中に機械が高温になることを考慮し、手袋とゴーグルは必ず装着すること。

例文3

・研修期間中であったことを考慮すれば、今回彼が十分に対応できなかったことは仕方がない。

例文4

・彼のこれまでの業績を考慮に入れれば、来年度からの昇進は間違いないだろう。

例文5

・周辺道路の混雑も考慮した上で、出発時間を早めることにした。

例文6

・昨年は人手不足から現場に混乱が生じてしまったことをご考慮いただき、今年はスタッフの増員をご検討いただけますと幸いです。

例文7

・増員の件をご考慮くださいまして、ありがとうございます。

例文8

・お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご考慮いただけないでしょうか。

例文9

・お客様のご希望は最大限考慮いさせていただきますが、在庫切れの場合は何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。

例文10

・お客様のご希望も考慮させていただきます。

例文11

・在庫数を考慮いたしまして、誠に申し訳ありませんが一人あたりの販売数を制限させていただきます。

「考慮する」の同義語や類語をチェック☆

考慮する 同義語 類語

「考慮する」の同義語…「考察する」「勘案する」など7種をチェック☆

「考慮する」の同義語には、次のような言葉があります。

・考察する(こうさつする)

・勘案する(かんあんする)

・思いめぐらす(おもいめぐらす)

・熟慮する(じゅくりょする)

・案ずる(あんずる)

・鑑みる(かんがみる)

・配慮する(はいりょする)

「考慮する」の類語…「検討する」「留意する」など5種をチェック☆

「考慮する」の類語には、次のような言葉があります。

・検討する(けんとうする)

・留意する(りゅういする)

・念慮する(ねんりょする)

・考える(かんがえる)

・慮る(おもんぱかる)

「考慮する」と「鑑みる」「配慮する」の違い!「何を含めて考えるのか」がポイント☆

「考慮する」と同じような使われ方をする

「鑑みる」

「配慮する」

という言葉があります。

この3つ言葉は使われ方が似ていますが、

「考慮する」「鑑みる」「配慮する」は同じ意味ではありません。

それぞれの違い

「何を含めて考えるのか」

ということです。

「考慮する」と「鑑みる」、「配慮する」の違い

・「考慮する」

様々な条件を含めて考える

・「鑑みる」

過去の例やお手本に照らし合わせて考える

・「配慮する」

相手の状況や心情を考える

つまり、

「考慮する」が一番考える要素の範囲が広く

「鑑みる」が含めるのは「過去の例やお手本」

「配慮する」が含めるのは「相手の状況や心情」

に限定されていると考えるとわかりやすいですね。

例えば、

先月の売上を考慮して~

先月の売上を鑑みて~

どちらも正しい表現です。

ですが、

現在の状況を考慮して~

× 現在の状況を鑑みて~

だと、× の現在の状況を鑑みて」というのは、

過去の事例を述べていないために「鑑みる」は使えません。

同様に、

遠方からいらっしゃるお客様を考慮して~

遠方からいらっしゃるお客様に配慮して~

どちらも正しいです。

ですが、

営業時間の延長も考慮するべきだ

× 営業時間の延長に配慮するべきだ

この場合の

× 営業時間の延長に配慮するべきだ

は、営業時間の心情を考えることになってしまいます。

つまり、

心情を持たないものに「配慮する」は使えない

ということです。

なんとなく使っていた人は、この機会に「考慮する」と「鑑みる」や「配慮する」との違いを覚えましょう。

言葉の使い方に悩んだときの解決法!

ビジネスの場においては、相手の立場や心情、自身の現在の状況などを”考慮して”

その場にふさわしい言葉を選んで発言すること

が求められます。

しかし、手紙やメールの文章ならまだしも、電話や対面での会話となると、考慮するための時間はほんの一瞬です。

そのため、

「君、言い方ってものがあるでしょう?」

と、うっかり相手を怒らせてしまったり、呆れさせてしまったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方にぜひ読んでみていただきたいのが、

『できる大人のモノの言い方大全』

という本です。

この本では、

モノの言い方=その時にふさわしい言葉を選び取る力=大人が持つべき日本語力

であるとして、

・あいさつする

・謝る

・お願いする

・断る

・質問する

などの場面別に、ふさわしい言葉を解説付きで紹介しています。

ですので、辞書のように使うこともできますし、普段から気になる場面を読みこんでおき、自分の言葉のバリエーションを増やすという使い方もできます。

言葉遣いには自信がある、という方でも、きっと新しい発見があるはずです。

会社のデスクにぜひ常備しておきたい一冊だと言えるでしょう。

「考慮する」の敬語表現!「ご考慮」「考慮させていだたく」の使い分け方も☆

考慮する 敬語表現

「考慮する」の敬語表現は、

■相手が考慮することに対して

・ご考慮

■自分が考慮することに対して

・考慮させていだたく

・考慮いたす

です。

例えば、目上の相手に対して

例文1

・増員の件をご考慮くださいまして、ありがとうございます。

例文2

・お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご考慮いただけないでしょうか。

という文になります。

ちなみに、自分が目上の相手に「考慮する」と伝えたい時には

例文1

・お客様のご希望も考慮させていただきます。

例文2

・在庫数を考慮いたしまして、誠に申し訳ありませんが一人あたりの販売数を制限させていただきます。

という文になります。

このように、目上の相手に対しての「考慮する」の敬語表現は

・相手に考慮してほしい時

・自分が考慮する時

で上手に使い分けましょう☆

【1分でわかる!】考慮するの意味や使い方と例文、また、同義語や類語と敬語表現のまとめ

それでは、おしまいに今回ご紹介した「考慮する」という言葉のポイントをもう一度確認しておきましょう。

【意味】

周囲の状況などを含めてよく考える

【使い方】

何かの条件を含めた上で行動する/物事を判断するときに、

・考慮を要する

・考慮に入れる

・考慮すべき

・考慮したうえで

・考慮の余地がない

といった形で使われる

【同義語】

・考察する

・勘案する

・熟慮する

など

【類語】

・検討する

・留意する

・念慮する

など

【敬語表現】

■相手が考慮することに対して

・ご考慮

■自分が考慮することに対して

・考慮させていだたく

・考慮いたす

【例文】

例文1

・彼のこれまでの業績を考慮に入れれば、来年度からの昇進は間違いないだろう。

例文2

・周辺道路の混雑も考慮した上で、出発時間を早めることにした。

例文3

・昨年は人手不足から現場に混乱が生じてしまったことをご考慮いただき、今年はスタッフの増員をご検討いただけますと幸いです。

例文4

・増員の件をご考慮くださいまして、ありがとうございます。

常にさまざまな要素を考慮して、最良の判断を下すことは社会人の理想ですよね。

ぜひ、今回の記事を参考にして、まずは「考慮する」という言葉を使いこなすところから始めてみてはいかがでしょうか?

【今回ご紹介した本はコチラ!】↓

『できる大人のモノの言い方大全』

(話題の達人倶楽部 編集 / 青春出版社)

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