履歴書やビジネスメールでは、自分の考えや意気込みを相手に伝えなければなりません。
そんな時、
「頑張ります!」「努力します!」
では、友達向けの表現になってしまいます。
ここはぜひ、今回ご紹介する「できる限り努力していきます」という意味の
「努めてまいります」
という言葉を使ってみてください。
この記事では、「努めてまいります」という言葉を使いこなすための意味や使い方の知識を、例文とともにご紹介していきます。
また、履歴書やビジネスメールでの具体的な使用例もお見せしますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
「努めてまいります」の意味は「できる限り努力していきます」
「努めてまいります」とは
できるだけ努力していきます
という意味の言葉です。
この言葉は、「努めて」・「まいる」・「ます」に分けることができます。
それぞれの意味は、
「努めて」=できる限り努力をして
「まいる」=「行く」「来る」の謙譲語
「ます」=丁寧な気持ちを表す助動詞
となります。
よって、この3つを合わせた「努めてまいります」の意味は、
「できる限り努力をしていきます」
になるのです。
「努めてまいります」の使い方をわかりやすく!履歴書やビジネスメールの場合も
「努めてまいります」の基本的な使い方!「(自分なりに)頑張ります」という前向きな気持ちを伝えること
「努めてまいります」の基本的な使い方は
目上の相手に対し、「(自分なりに)がんばります」という前向きな気持ちを伝える
ということです。
そのため、
・自分の決意を伝える
・お礼をする
・謝罪をする
といった場面で使うことができます。
例えば、
・「ありがとうございます。今後とも、お客様のご期待に添えるサービスをご提供できるように努めてまいります」
(サービスに良い評価をもらったことに対しての今後の決意を述べている)
・「申し訳ございません。今後はこのような事のないようにさらなるサービス向上に努めてまいります」
(サービスに悪い評価をもらったことを謝罪し、今後の対策を述べている)
といったように、さまざまな場面で使うことができるのが「努めてまいります」なのです。
ちなみに、次の言葉を「努めてまいります」の前に置くことで、「努力します」という意思を強調して相手に伝えやすくなります。
・誠心誠意
・精一杯
・誠意を込めて
・真摯に
「努めてまいります」の使い方②…上司にも使えるの?
「努めてまいります」は「まいります」の部分が謙譲語ですので、お客様や上司など、目上の相手に使うことができます。
注意する点は、
”自分が”頑張るという気持ちを表すときだけに使う
ということです。
例えば、
✕「部長はサービス向上に努めてまいられました」
のような表現はできません。
この場合は、「ご尽力されました」などの他の表現を使うようにしましょう。
「努めてまいります」の使い方③…「努めて参ります」と漢字にすると意味が変わる!正しい使い方はひらがなで「まいります」と書く!
「努めてまいります」を「努めて参ります」と書くこともできますが、
・「参ります」と漢字で書いた場合には「移動する」という意味の「行く・来る」の謙譲語という扱いになる
・「努めてまいります」の「まいります」は「移動する」という意味ではなく、「動作を続ける」という意味の補助動詞である
・補助動詞は通常ひらがなで書くものなので、「努めてまいります」の「まいります」はひらがなで書くのが正しい
ということを覚えておきましょう。
詳しく説明していきますと、「努めてまいります」の「まいります」は「行く・来る」の謙譲語ですが、ここに「会議室へ行く」「本社から来る」のような「移動する」という意味はありません。
この場合の「まいります」は、「動作・状態を続ける」という意味の補助動詞となります。
そして、補助動詞は動詞本来の意味として使っている場合と区別するため、ひらがなで書くのが普通です。
よって、
「努力してまいります」とひらがなで書くのが正しい
ということになります。
「努めてまいります」の使い方④履歴書やビジネスメールなど場面別に使い方を紹介!
それでは「努めてまいります」の使い方を様々な場面別に紹介していきますね!
場面1:「努めてまいります」は履歴書では志望動機や自己PRに使える
「努めてまいります」は、履歴書や職務経歴書の「志望動機」「自己PR」を書く欄で、
入社後はどのようなことに力を入れたいのか
という意気込みを伝えるために使うことができます。
例えば、
・学生時代に学んだことを活かして、こんなことを頑張りたい
・前職とは畑違いの職種だけど、今までの経験を生かして早く仕事に慣れるように努力したい
・自分の強みである○○で、会社に貢献していきたい
というようなことを、
・「学生時代に学んだ語学を活かし、御社のサービス向上の一助となれるよう努めてまいります」
・「営業職は未経験ではありますが、前職で得た経験を生かし、一日も早く仕事に対応できるよう努めてまいります」
・「○○資格の知識を最大限に活かし、御社の事業に貢献できるように努めてまいります」
という文章にすることができます。
「頑張りたいと思います」よりも「努めてまいります」を使うことで、より丁寧な印象になりますね。
場面2:「努めてまいります」は目上の相手への年賀状で抱負を語るときに使う
「努めてまいります」の年賀状での使い方は、
目上の相手に、
旧年中の感謝とともに「今年は○○をがんばります」という抱負を語る
ことです。
例えば、
・「旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年もご期待に添えるよう努めてまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします」
・「昨年は何かとお力添えをいただきありがとうございました。本年は新事業の成功を目指し、一層努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
・「旧年中は私共に格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。本年もご期待に応えるべく努めてまいります」
というように、
・「今年もよろしくお願いします」にプラスする
・旧年中の相手への感謝とともに伝える
・自分の新年にあたっての前向きな抱負を伝える
というのが年賀状での「努めてまいります」の使い方です。
場面3:「努めてまいります」はビジネスメールで挨拶や謝罪の文章に使える
「努めてまいります」は、ビジネスメールにおいて
・転勤や異動などの挨拶
・手違いやミスに対する謝罪
の文章で使うことができます。
例えば、
・「今月より、○○の後任として□□様の担当を務めさせていただくことになりました△△と申します。誠心誠意努めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします」
・「今月末を持って、○○支店を離れ、東京本社に異動することになりました。今後ともご期待に添えるよう努めてまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします」
というように、転任や転勤に際しての今後の意気込みを挨拶に添えるときには「努めてまいります」はとても便利な言葉です。
また、次のように謝罪を行う文章でも、「努めてまいります」を使うことができます。
・「この度は私の認識不足により、多大なるご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないよう努めてまいりますので、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
・「先日は私どもの不手際により、お客様に多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。今後は社内教育を徹底し、再発防止に努めてまいります」
履歴書やビジネスメールを上手に書く方法とは?
さて、「努めてまいります」の使いどころとして、履歴書や年賀状、ビジネスメールなどをご紹介しましたが、この全てに共通するのが
「自分の思っていることを文章にする」
ということです。
この「思っていることを文章にする」というのは、社会人であれば当たり前の技術ですが、苦手な人も多いのではないでしょうか?
・思っていることが文章になると急にまとまらなくなる
・何から書き始めればいいのかわからない
・自分の文章を読んだ人に、「何が言いたいの?」と言われてしまったことがある
・「文章術」の本やホームページを読んでみたけれど、途中で挫折してしまった
こんな悩みを抱えている、文章を書くことに苦手意識を持っている方におすすめしたいのが、
『マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』
という本です。
タイトルだけ読むと「ふざけているのかな?」と感じてしまうかもしれませんが、新聞社の校閲記者といえば文章のプロ中のプロと言える職業になります。
そのプロ中のプロが、「マジ文章書けない」というレベルから、文章の書き方を基本からストーリー仕立てで教えてくれる、親しみやすいのに本格派の文章術の本なのです。
この本は、
「就活中だというのにエントリーシートが書けずに悩んでいる大学生の前に謎のおじさんが現れ、文章の書き方を基本から教えてくれる」
というストーリー形式で進んでいきます。
しかし、謎のおじさんが教えてくれる内容はエントリーシートの書き方ではなく、
「自分の書きたいことをいかに効果的に文章の形にしていくか?」
ということですので、就活中に限らず、どのような方でもストーリーに沿って読み進めていくと、ありとあらゆる文章に通じる、一生モノの文章術がわかるようになっています。
文章を苦手だと思っている人でも、とても読みやすい本ですので、ぜひ一度読んでみてくださいね。
「努めてまいります」を使った例文
「努めてまいります」を使った例文には、次のようなものがあります。
例文1
今後とも、お客様の視点に立ち、より充実したサービスが提供できるよう努めてまいります。
例文2
弊社におきましても、生産体制の見直しに努めてまいりますので、商品がお手元に届くまで今しばらくお待ちいただきますよう何卒よろしくお願いいたします。
例文3
弊社は今後も地域社会と密接な連携を取りつつ、一企業としてできる限りの社会貢献に努めてまいります。
「努めてまいります」の類語は「努力してまいります」「尽力してまいります」など
「努めてまいります」の類語には、次のようなものがあります。
・努力してまいります
・努力を惜しまぬ所存です
・尽力してまいります
・全力を尽くしてまいります
・全力を尽くす所存です
・励んでまいります
【1分でわかる!】努めてまいりますの意味や正しい使い方と例文!履歴書やビジネスメールなど
それでは、最後に今回ご紹介した「努めてまいります」の大切なポイントをおさらいしておきましょう。
【意味】
できる限り努力していきます
【使い方】
■基本は「これからの意気込みを語る」
・履歴書→志望動機や自己PRに
・年賀状→新年のあいさつに抱負を添える
・ビジネスメール→異動などの挨拶や謝罪文に
■書くときには「努めてまいります」と「まいります」はひらがなにするのが正しい
【類語】
・努力してまいります
・尽力してまいります
・励んでまいります
など
【例文】
例文1
今後とも、お客様の視点に立ち、より充実したサービスが提供できるよう努めてまいります。
例文2
弊社におきましても、生産体制の見直しに努めてまいりますので、商品がお手元に届くまで今しばらくお待ちいただきますよう何卒よろしくお願いいたします。
例文3
弊社は今後も地域社会と密接な連携を取りつつ、一企業としてできる限りの社会貢献に努めてまいります。
自分の考えを相手に正しく伝えるというのは、コミュニケーションにおいて非常に大切なことです。
ぜひ、今回の記事を参考にして、「努めてまいります」という言葉をあなたのコミュニケーションに活用してみてくださいね!
【今回ご紹介した本はコチラ!】↓
『マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』
(前田安正 著 / 大和書房)
履歴書も、ビジネスメールもすべては「文章」!
思ったように文章が書ければ、思ったような結果がついてくる!
親しみやすいストーリー仕立てで、スラスラ読める!内容が頭に入る!
「マジ文章書けない」レベルの主人公と一緒に、あなたも一生モノの文章術を手に入れよう!