言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】ご健勝の意味や読み方と使い方や例文!ご清祥など似た言葉との違いも|ビジネスマナー

「お世話になった取引先やお客様にきちんとした手紙を書きたい!」

「後輩の結婚式のスピーチで先輩らしくかっこいい挨拶をしたい!」

このように、ビジネスの場に限らず、手紙やスピーチなどで挨拶の文章を考えなければならないことはたくさんありますよね。

しかし、いざ文章を考えようとすると

「いったい、どういう言葉を使えばビジネスや公の場にふさわしい挨拶になるの?」

と悩んでしまうことはありませんか?

そんな時のために覚えておきたい言葉が「ご健勝」です。

この言葉の使い方をマスターすれば、簡単に挨拶文を書くことができるようになりますよ。

そこで今回は、この「ご健勝」という言葉の読み方や使い方を例文とともに詳しく説明します。

また、「ご清祥」などの似ている言葉との使い分けも解説しますので、ぜひ最後まで読んで、手紙やスピーチの挨拶文で困らない、文章上手を目指しましょう!

「ご健勝」の意味は「健康で元気」、読み方は「ごけんしょう」

ご健勝の意味や読み方

「ご健勝」という言葉の読み方は「ごけんしょう」です。

ちなみに、ご健勝という言葉は正確にはひとつの単語ではなく、「健勝」という言葉に尊敬の意味を表す「ご」(漢字にすると「御」)という言葉が合わさって成り立っています。

しかし、「健勝」という言葉の意味を辞書で調べてみると、

『健康で元気なこと。また、そのさま。すこやか。多く手紙文で、「ご健勝」の形で用いる。 「ご健勝のことと存じます」』

(小学館 デジタル大辞泉)

と書かれています。

ですので、「ご健勝」は一つの単語として使うと覚えてしまいましょう。

そして、辞書には「主に手紙文で用いる」とありましたが、ビジネスの場では手紙だけではなくスピーチでも広く使われている言葉です。

さっそく、次からは「ご健勝」のいろいろな使い方を見ていきましょう。

「ご健勝」の使い方や例文はここでチェック!ビジネスでの注意点も!

ご健勝の使い方や例文

「ご健勝」の使い方のコツ!手紙やスピーチで相手を気遣う時に添えよう

「ご健勝」の使い方は、手紙やスピーチでの挨拶に添えて、相手の健康(=健勝)を願ったり、元気でいるかどうか気遣ったりすることです。

なお、「ご健勝」という言葉がよく出てくるのは、このような場面です。

・手紙の始めや結びの挨拶

・ビジネス文書の始めや結びの挨拶

・祝辞や乾杯の挨拶などのスピーチ

これらの場面に共通するのは「挨拶」ですね。

そう、「ご健勝」という言葉は、挨拶の中で相手の健康を気遣ったり、元気でいてくださいと願ったりする時に使うものなのです。

「ご健勝」+「のことと存じます」、「をお祈りします」、「をお祈り申し上げます」がよくあるパターン!

「ご健勝」という言葉を使った文章でよくあるのは、次のような表現です。

【主に、手紙や文書の頭で】

・ご健勝のことと存じます。

【主に、手紙や文書の終わり、スピーチの最後】

・ご健勝をお祈りします。

・ご健勝をお祈り申し上げます。

「ご健勝」といったらこの形になる!というくらいによく出てくる表現ですので、セットで覚えておくと便利ですよ。

「ご健勝」の例文あれこれ!手紙の始め、締め、スピーチで使える表現をチェック!

「ご健勝」という言葉を用いた例文には、次のようなものがあります。

【手紙・ビジネス文書の始めに】

例文①

時下ますますご健勝のことと存じます。

例文②

酷暑の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

【手紙・ビジネス文書の締めに】

例文①

皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

例文②

末筆ながら、株式会社○○の皆様方のご健勝とますますのご活躍を心より祈念いたします。

【スピーチで(主に締めの言葉として)】

例文①

お集まりの皆様の今後ますますのご活躍とご健勝をお祈り申し上げまして、乾杯の挨拶とさせていただきます。

例文②

最後になりますが、○○様、並びに本日ご出席頂いた皆様方のご健勝を心よりお祈りいたします。

「ご健勝」のビジネスでの使い方と注意点!「ご健勝」は個人やグループが対象なので、会社に対しては「ご発展」を使おう!

「ご健勝」という言葉をビジネスの場で使う時には、次の2つを覚えておきましょう。

1: 「ご健勝」は目上の人、目下の人のどちらにも使うことができる

2: 人に対しての表現なので、会社や組織に対しては使わない(社員には使える)

まず、1についてですが、「ご健勝」というのは相手の健康を気遣ったり、願ったりする言葉ですので、目上、目下どちらにも使うことができます(もちろん同僚でも大丈夫です)。

また、個人だけではなく、家族やグループといった複数の人に対しても有効です。

そして、健康という言葉は人に対して使うことがほとんどですので(「健康な会社」というのも少し変ですよね)、会社や組織に対して「ご健勝」という言葉は使いません。

ただし、会社で働いている社員に対しては使うことができます。

少しややこしいので例を挙げると、

◯: 株式会社△△の皆様方のご健勝をお祈りいたします。

(「皆様方」という言葉によって、「(そこで働いている)社員の健康を祈る」という意味になっています)

×: 株式会社△△のご健勝をお祈りいたします。

(「会社の健康を祈る」という意味になっているので、意味が通じません)

といった具合です。

なお、会社に対しては商売が盛んになるという意味の

・「ご発展」(ごはってん)

・「ご繁栄」(ごはんえい)

・「ご盛栄」(ごせいえい)

・「ご隆昌」(ごりゅうしょう)

といった言葉が使われます。

このような「ご健勝」と意味が似ている言葉については後ほど解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「ご健勝」と似た「ご清祥」などの言葉との違いをマスターしよう!

ご健勝とご清祥の違い

「ご健勝」の類語は「ご健康」「ご清祥」「ご清栄」

「ご健勝」の類語には次のような言葉があります。

・ご健康

相手が健やかに過ごしていることを願ったり、気遣うという意味になります。

・ご清祥(ごせいしょう)

『手紙文で、相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶあいさつの語。 「御清祥のこととお喜び申し上げます」』

(小学館 デジタル大辞泉)

・ご清栄(ごせいえい)

『清く栄えること。手紙文などで、相手の無事と繁栄を喜ぶあいさつの語。 「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」』

(小学館 デジタル大辞泉)

ちなみに、これらの言葉は相手の健康を気遣う表現ですので、個人やグループあての表現です。

ただし、「ご清栄」は個人あてでも会社あてでも使える便利な表現ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。

「ご健勝」と似ているけど意味が違う「ご多幸」「ご活躍」の使い方

「ご健勝」と似た「ご○○」の表現には、他にも

・ご多幸(ごたこう)

・ご活躍

がありますが、「ご健勝」とは意味が少々違いますので注意しましょう。

それぞれの言葉の意味は、次のようになります。

・ご多幸

『非常にしあわせなこと。また、そのさま。 「御多幸を祈ります」「多幸な一生」』

(小学館 デジタル大辞泉)

・ご活躍

『めざましく活動すること。 「社会の第一線で活躍する」』

(小学館 デジタル大辞泉)

このように、これらの言葉には「ご健勝」の持っている「健康」という要素が入っていません。

そのため、

「ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」

といったように、「ご健勝」と組み合わせて使うことができます。

「ご健勝とご○○を~」というのは、主に手紙の締めやスピーチの最後によく使われますので、ワンランク上の表現として覚えておいて損はありませんよ。

類語がややこしい時の解決法は?

類語や丁寧な言い換えの表現は、たくさん知っていればそれだけビジネスで最も重要なコミュニケーション能力も上がっていきます。

しかし、とっさの時に「あれ?これはビジネス的にはどう言ったらいいの?」と困ってしまうことはありませんか?

そんな人におすすめしたいのが、

ビジネスメール言い換え辞典』(村上英記 著)

という本です。

この本では、普段友達に使うような言葉を調べると、その言葉のビジネス向けの表現を教えてくれます。

例えば、

「さすがです」→「勉強になりました」、「恐れ入りました」

「すみません」→「心よりお詫び申し上げます」、「弁解の余地もございません」

といった具合に、普段遣いの言葉をビジネス表現にパッと変換することができるんです。

また、「誰に対しての言葉なのか」によって、

1: 社内の親しい人

2: 社内の上司・先輩

3: 社外の人

と、敬語のレベルを3段階に分けてくれているのも嬉しいポイントです。

尊敬語、謙譲語と言われてもイメージがつかみにくいですが、これなら簡単に正しい敬語表現を知ることができますよね。

やはり、言葉の使い方がきちんとしているというのは、先輩や上司といった年上からは非常に好印象を持ってもらえますので、

・ビジネス文書を正しい言葉で書きたい!

・上司や先輩との関係を良くしたい!

といった方にはぜひデスクの上に置いてほしい本です。

ちなみに、同じ著者による、さらに多くの言葉を収録した

困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』

という本も出ています。

こちらはタイトルの前に「言い訳・口ごたえに聞こえない」と付いている通り、「言い訳」の表現がたくさん収録されています。

・ミスをした時に上手に切り抜けるための謝り方を知りたい!

・上司や先輩に意見を言って雰囲気が悪くなってしまったことがある…

という方は、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

【1分でわかる!】ご健勝の意味や読み方と使い方や例文、また、ご清祥など似た言葉との違いについてのまとめ

いかがでしたか。

「ご健勝」は「ごけんしょう」と読み、「健康で元気であること」を意味します。

そして、主に手紙やビジネス文書の始めや締め、スピーチの締めなどで

・ご健勝のことと存じます。

・ご健勝をお祈りします。

・ご健勝をお祈り申し上げます。

という形で使われて、相手の健康を願ったり、気遣ったりする言葉です。

そして、類語としては同じように健康を願う表現の

・ご健康

・ご清祥(ごせいしょう)

・ご清栄(ごせいえい)

があります。

また、

・ご多幸(ごたこう)

・ご活躍

などの幸せや活躍を願う表現と組み合わせるのもよくある表現です。

ただし、「ご健勝」という言葉をビジネスで使うときには、

個人やグループなどの「人」に対して使う表現であり、会社や組織といった単位には使わない

ということに注意しましょう。

ぜひ、今回の記事を参考にして、相手を思いやった余裕のある文章やスピーチを考えてみてくださいね。

【今回ご紹介した本はコチラ!】↓

・『ビジネスメール言い換え辞典』(村上 英記 著/日本実業出版社)

普段使いの言葉をビジネス向け表現にラクラク変換!

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・『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』(村上 英記 著/日本実業出版社)

仕事のミスの大きさは「言い訳」の表現しだい!?

上司や先輩、取引先とのトラブルはこの本とスマートな言い訳の表現で解決しよう!

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