言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】先般よりの意味や使い方と例文!ご依頼やご協力との複合語も|仕事の時のビジネスマナー

仕事に限らず、人付き合いとは長い期間をかけて行っていくものです。

そんなときに必要になるのが、「以前のこと」についての話題です。

「この前から頼んでた書類ってもうできてる?」

「このあいだから協力してもらってた台所のリフォーム、やっと終わったよ」

親しい相手やプライベートならこのような言い方で構いませんが、ビジネスや公の場では「このあいだから」という意味の

「先般より」

という言葉を使うと、「このあいだ」「この前」よりもきちんとした印象を与えることができますよ。

今回は、この「先般より」という言葉について、意味や基本的な使い方だけではなく、「ご依頼」「ご協力」などの言葉と合わせたよく使われる複合語も例文と一緒にご紹介していきます。

ぜひ最後まで読んで、きちんとした人付き合いができる人を目指してみてくださいね。

「先般より」とは「このあいだから」という意味

先般より 意味

「先般より」(読み:せんぱんより)という言葉の意味は、

このあいだから

です。

この「先般」という言葉の意味を辞書で見てみると、

さきごろ。このあいだ。過日。「先般の件、承知いたしました」「先般申し上げたように」
(小学館 デジタル大辞泉)

となっています。

そして、「より」というのは動作や作用の始まりを表す言葉で、

~から

という言葉に置き換えられます。

例を挙げると、

・「表彰式は七時より行う」

・「部長より辞令を受け取った」

といったように、

「いつから」「だれから」という動作の始まりを表すのがこの「先般より」の「より」という言葉の使い方です。

そのため、

・さきごろから

・この間から

・この前から

というような、「過去のある時点から」という意味を持つのがこの「先般より」という言葉なのです。

「先般より」の使い方は基本的に「このあいだ」と同じ!目上の人にも使える!

先般より 使い方

「先般より」の使い方は、次の決まりを覚えておきましょう。

1:「このあいだ」「この前」と同じように使う

2:はっきりと日時を告げる必要のないことに使う

3:目上の人に使うこともできる

詳しく説明すると、まず「1」の「このあいだ」や「この前」と同じように使うというのは、

「このあいだから」や「この前から」の代わりになる言葉として「先般より」を使うことができる

ということです。

例を挙げると、

「このあいだからお願いしていた書類の件ですが~」

「先般よりお願いしていた書類の件ですが~」

のように、「このあいだから」「この前から」の置き換えとして「先般から」を使って構いません。

ちなみに、「2」のはっきりと日付を告げる必要のないことに使う場合は、

「先般」という言葉が○月○日というような特定の日付を表すものではないので注意する

ということです。

例えば、もしお客様に対して

「先般より開催しております割引キャンペーンをぜひご活用ください」

と案内してしまったら、

「割引キャンペーンなんていつから始まったの?いつまでやってるの?早く教えてほしかった!」

と怒られてしまうかもしれません。

また、「3」の目上の人に使うこともできるということについては、

「このあいだより」や「この前より」を使うよりも、「先般より」を使ったほうが改まった表現になる

ということです。

ぜひ、次からご紹介する複合語も覚えて、上司やお得意様とのやりとりに役立ててみてくださいね。

「先般より」を使いこなすための複合語を例文と一緒に覚えよう

先般より 複合語 例文

「先般より」という言葉は、「ご依頼」や「ご協力」といった言葉と合わせて使われることがほとんどです。

よく使われるものを意味とともにご紹介していきますので、ぜひ覚えてくださいね。

「先般よりご依頼」「先般よりご依頼させて」は「このあいだから依頼していた」

「先般よりご依頼」「先般よりご依頼させて」という表現は、

このあいだから依頼していた

という意味です。

例文1

先般よりご依頼していた原稿ですが、仕上がりがいつ頃になるのかお教え願えますか?

例文2

先般よりご依頼させていただいていた作品がついに完成したと聞き、いてもたってもいられずに伺いました。

というように、過去のある時点で依頼した(そしてまだ終了していない)ことに対して使います。

「先般よりご案内」は「このあいだから案内していた」

「先般よりご案内」という表現は、

このあいだからご案内していた

という意味です。

例文1

先般よりご案内していた2号店のオープンが、いよいよ来週に迫ってまいりました。

例文2

先般よりご案内していた同窓会の出欠はどうなさいますか?

この場合、「案内」は「知らせる」という意味合いになります。

「先般よりご協力」は「このあいだから協力していた」

「先般よりご協力」という表現は、

このあいだから協力していた

という意味です。

例文1

先般よりご協力を賜りました新店舗がいよいよ開店を迎えることとなりました。

例文2

先般よりご協力いただきましたおかげで、作業も最終段階に入っております。

というように、誰かにご協力をしてもらったときに使う表現です。

「先般よりご相談させて」は「このあいだから相談していた」

「先般よりご相談させて」という表現

このあいだから相談していた

という意味です。

例文1

先般よりご相談させていただいておりました配置転換についてなのですが…

例文2

先般よりご相談させていただきました移転の件がこのような結果となり誠に遺憾です。

というように、一定の期間誰かに相談していたことがらを述べるときに使われます。

協力や相談をお願いすることができる相手を増やす方法とは?

さて、誰かに相談や協力をするときの「先般より」を使った表現をご紹介しましたが、ビジネスの場はもちろんのこと、普段から困ったときに頼れる相手がいてくれると何かと心強いですよね。

しかし、

・いざというと、誰に相談すればいいのかわからない…

・頼み事をするときの言い方にいつも悩んでしまう…

・相手のことを考えすぎてしまって、結局言い出せない…

という悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方におすすめしたいのが

『仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン』

という本です。

この本では、元キャビンアテンダントの著者が

・「気遣い」とはどういうことなのか

・「気遣い」を具体的に示すためにはどうしたらいいのか

ということをわかりやすく教えてくれています。

また、気遣いの表し方

・会話

・見た目や声

といった要素別に解説されているので、自分のことに置き換えて真似がしやすいのが特徴です。

日頃から、この本に書かれているような「気遣い」を無理のない範囲で続けていけば、人間関係もよりスムーズになり、困ったときに快く力を貸してくれる人も増えていくことでしょう。

ぜひ、この本を参考にして仕事やプライベートの人脈をパワーアップさせてみてくださいね。

「先般より」を使ったその他の例文

先般より 例文

「先般より」を使った例文で、先程までに登場していないものをいくつか挙げておきます。

例文1

先般より承っておりました製品の修理が完了いたしました。

例文2

先般より、近隣の住民からごみ処理についての苦情が届いています。

例文3

この問題は先般より把握しておりましたが、関係各所の調整が間に合わずに具体的な対処に至っておりませんでした。

例文4

先般よりお力添えをいただいておりました本校野球部が、この度全国大会に出場する運びとなりました。

例文5

先般よりお世話になっております。

【1分でわかる!】先般よりの意味や使い方と例文、また、ご依頼やご協力との複合語のまとめ

最後に、「先般より」という言葉の覚えておきたいポイントをもう一度確認しましょう。

【意味】

このあいだから

【使い方】

・「このあいだ」「この前」と同じように使う

・はっきりと日時を告げる必要のないことに使う

・目上の人に使うこともできる

【複合語】

・「先般よりご依頼」「先般よりご依頼させて」=「このあいだから依頼していた」

・「先般よりご案内」「先般よりご案内させて」=「このあいだから案内していた」

・「先般よりご協力」=「このあいだから協力していた」

・「先般よりご相談させて」=「このあいだから相談していた」

【例文】

例文1

先般よりご依頼していた原稿ですが、仕上がりがいつ頃になるのかお教え願えますか?

例文2

先般よりご案内していた2号店のオープンが、いよいよ来週に迫ってまいりました。

例文3

先般よりご協力を賜りました新店舗がいよいよ開店を迎えることとなりました。

例文4

先般よりご相談させていただきました移転の件がこのような結果となり誠に遺憾です。

例文5

この問題は先般より把握しておりましたが、関係各所の調整が間に合わずに具体的な対処に至っておりませんでした。

「前から~してもらっていた」という、以前からのつながりを述べるときに役立つのがこの「先般より」という言葉です。

ぜひ、今回の記事を参考にして、相手への感謝を述べるときなどに活用してみてくださいね!

【今回ご紹介した本はコチラ!】↓

『仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン』
(三上ナナエ 著 / すばる舎)

仕事や人間関係をうまく回すためのカギ、それは「気遣い」!

元CAの著者が教えてくれるのは、誰でもすぐに真似できる「気遣い」の極意!

仕事で、プライベートで、あなたの人脈をパワーアップさせよう!

こんな記事も読まれています!!