ビジネスにおいて、
「これは、自分だけでは判断できないな…」
という場面に出くわしたことはありませんか?
お客様に無茶なお願いをされてしまった、先輩からの頼まれごとで行き詰まってしまった、いろいろな状況が考えられますが、
「これは先輩や上司に相談して、どうしたらいいのか教えてほしい!」
という時、知っておくと役に立つのが、「指示を求める」という意味の
「指示を仰ぐ」
という言葉です。
そこで今回は、この「指示を仰ぐ」という言葉の意味や使い方、敬語表現などをご紹介していきます。
また、メールで「指示を仰ぐ」ときに知っておきたいポイントについても解説していますので、ぜひ最後まで読んで、ビジネスで困ったらぜひ活用してみてくださいね。
目次
「指示を仰ぐ」とは「指示を求める」という意味
「指示を仰ぐ」とは、
指示を求める
という意味です。
それぞれの言葉を辞書で見てみると次のようになっています。
「指示」
1 物事をそれとさししめすこと。 「地図上の一点を指示する」
2 さしずすること。命令。 「指示に従う」 「指示を与える」 「部下に指示する」
「仰ぐ」
1 上を向く。上方を見る。あおむく。 「星空を仰ぐ」
2 尊敬する。敬う。 「師と仰ぐ」
3 教え・援助などを求める。請う。 「指示を仰ぐ」 「助力を仰ぐ」
4 あおむいてひと息に飲む。あおる。 「毒を仰ぐ」
(小学館デジタル大辞泉より)
「指示を仰ぐ」という言葉で使われているのは、
「指示=指図・命令」
「仰ぐ=求める・請う」
という意味です。
そのため、「指示を仰ぐ」という言葉は
「指示を求める」
という意味を持ちます。
つまり、自分以外の人に対して、「私に指示してください」とお願いする表現です。
「指示を仰ぐ」のメールでの使い方をわかりやすく!
「指示を仰ぐ」のメールでの基本的な使い方…「誰かの指示を仰ぐこと」「誰かに指示を仰ぐように伝えること」
「指示を仰ぐ」のメールでの基本的な使い方は、
・誰かからの指示を仰ぐ
・誰かに指示を仰ぐように伝える
です。
例えば、
・彼はすぐに問題を上司に報告し、今後の指示を仰いだ。
・使用の際には、医師の指示を仰ぐようにしてください。
といったように、
・「誰かの指示を仰いだ」と述べる
・「誰かに指示を仰いでほしい」と伝える
これが「指示を仰ぐ」の基本的な使い方です。
「指示を仰ぐ」のビジネスメールでの使い方のコツ…現状の問題点と相手にしてほしいことを具体的に、わかりやすく伝える
ビジネスメールで誰かから「指示を仰ぐ」場合には、
・現在の状況
・問題点は何か
・自分なりに考えた対策
・どのような対策を取るべきか
※自分の考えでいいのか、または他に良い案があるか
を具体的に、かつ、わかりやすい文章で伝えることが大切です。
例えば、こんな場面で考えてみましょう。
あなたは、職場の先輩から懇親会の会場として、あるお店を予約しておくように頼まれた。
しかし、指定の日は空いておらず、別の日なら空きがあると言われた
とします。
すると、考えられるのは
・別の日でその店を予約する
・指定された日で空きがある別の店を予約する
ですよね。
そういった場合には、以下のような「指示を仰ぐ」ためのメールが考えられます。
お疲れさまです。
懇親会の会場について、ご相談があります。
来週水曜19時で予約することになっていたレストラン○○ですが、その日はあいにく満席で予約が取れませんでした。
木曜ならば同じ時間で予約が取れるとのことですが、
・木曜でレストラン○○を予約する
・水曜に空いている他の店を予約する
のどちらがよろしいでしょうか。
ご指示いただけますと幸いです。
なお、他の店に予約をする場合、私は割烹○○が最適ではないかと考えています。
もし、先輩の方でご希望の店があればそちらを予約しますので、他の店に予約をする際には併せてご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
このように、現状での問題点と、相手にどうしてほしいのかをはっきりさせた文章を書くことを心がけるようにしましょう。
「指示を仰ぐ」のメールでの使い方…わかりやすい文章を書くためのポイントを知る方法
誰でも、仕事で「指示を仰ぐ」ために先輩や上司にメールで相談した経験があることでしょう。
しかし、こんな失敗をしてしまったことはありませんか?
・気を使って書こうとして考えすぎて、必要以上に長い文章になってしまった…
・ちゃんと書いたつもりなのに、相手から「結局、要件は何?」と返されてしまった…
・言葉が足りなかったのか、相手から全く見当違いな返信が来た…
少しでも心当たりがあるという方は、もしかすると知らないうちにあなたのメールで相手をイラッとさせてしまっているかもしれません…。
そんな方にぜひ一度読んでいただきたいのが、
『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』
という本です。
この本は、一般社団法人日本ビジネスメール協会の代表理事を務める平野友朗氏が、
「相手に不快感を与えず、伝えたいことをきちんと伝えられるメールを書く方法」
についてを教えてくれるという内容です。
例えば、
・伝えたいことを効率よくまとめる方法
・必要な情報、不要な情報の見分け方
・必要な情報を文章の中に並べる順番
・相手を本当に思いやるために気をつけるポイント
このようなポイントを、実際のメールの例文を使いながらわかりやすく解説しているのが特徴です。
これらのポイントは、一見「当たり前のことじゃないの?」と思ってしまうかもしれませんが、いざ文章の形にすると、すべてのポイントに気をつけたメールというのは、なかなか難しいのではないかと思います。
メールに自信のない方はもちろんのこと、自信のある方も一度例文メールと自分の普段のメールを見比べてみると、いくつもの驚きや発見があることでしょう。
今や、メールはビジネスに欠かすことのできないコミュニケーションツールです。
ぜひ、この本でそのスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
「指示を仰ぐ」を使った例文をチェック!
「指示を仰ぐ」を使った例文をご紹介します。
例文1
この件はまず支店長の指示を仰ぐべきだ。
例文2
必ずしも上司の指示を仰ぐ必要はないが、後で報告はしたほうがいいだろう。
例文3
○○様から発注後のプラン変更の件について、課長のご意見をいただけますと幸いです。
例文4
そのお客様については、部長のご指示を仰いだ上で、私の方から連絡しよう。
「指示を仰ぐ」の敬語表現まとめ!尊敬語やメールで使う場合も!
「指示を仰ぐ」の尊敬語にあたる表現は「ご指示を仰ぎたく存じます」など!言い換え表現も活用しよう
「指示を仰ぐ」の尊敬語にあたる表現には、
・ご指示を仰ぎたく存じます
・ご指示を仰ぎたくお願い申し上げます
といった「指示を仰ぐ」という言葉を使ったものや、
・ご指南いただけますと幸いです
・お教えいただきたく存じます
といった言い換え表現を使ったものがあります。
「指示を仰ぐ」の敬語表現をメールで使う場合は「敬語表現+わかりやすい内容」に気をつければOK
「指示を仰ぐ」の敬語表現をメールで使う場合には、
・ご指示を仰ぎたく存じます
・ご指南いただけますと幸いです
といった表現を使えばOKですが、それだけではなく文章の内容にも気を配るようにしましょう。
具体的には、使い方のところで説明した
1:現在の状況
2:問題点は何か
3:自分なりに考えた対策
4:どのような対策を取るべきか
(自分の考えでいいのか、または他に良い案があるか)
の4点をはっきりさせることです。
また、
「お忙しいところ申し訳ないのですが、○日までにご返信頂けますと助かります」
といったように、
・返信に期限を設ける
・相手の状況を気遣う
といった表現もプラスすると、より洗練されたメールになりますよ。
「指示を仰ぐ」の類語や言い換え表現!英語にする場合も
「指示を仰ぐ」の類語・言い換え表現は「お教えいただきたく存じます」など
「指示を仰ぐ」の類語・言い換え表現には、次のようなものがあります。
・お教えいただきたく存じます
・ご教示ください
・ご指南いただけますでしょうか
・ご指南いただけますと幸いです
・ご意見をいただけますと幸いです
「指示を仰ぐ」の同義語は「ご指示いただく」など
「指示を仰ぐ」の同義語には、次のようなものがあります。
・ご指示いただく
・ご指示を賜る
・指示を願う
「指示を仰ぐ」を英語にするなら「I need your advice on~」「How should I deal with this problem?」を使ってみよう
「指示を仰ぐ」を英語で言う場合には、
・I need your advice on~
(私は~についてあなたのアドバイスがほしいです)
と問題点を述べたあとに、
・How should I deal with this problem?
(どのようにしてこの問題を対処したらいいでしょうか)
と、相手の意見を聞くようにしてみましょう。
problem(問題)の部分は、situation(状況)
deal with(対処する)を、handle(対処する)
に変えてもいいですね。
【1分でわかる!】指示を仰ぐの意味やメールでの使い方と例文、また、敬語表現のまとめ
最後に、「指示を仰ぐ」という言葉の大事なポイントを復習しておきましょう。
【意味】
指示を求める
【使い方】
■基本の使い方
・誰かの指示を仰ぐ
・誰かに指示を仰ぐように伝える
■メールでの使い方
・目上の相手には
「ご指示を仰ぎたく存じます」
「お教えいただきたく存じます」
といった敬語表現とともに使う
・敬語表現以外にも、わかりやすいメールを書くことを心がける
1:現在の状況
2:問題点は何か
3:自分なりに考えた対策
4:どのような対策を取るべきか
(自分の考えでいいのか、または他に良い案があるか)
【例文】
例文1
この件はまず支店長の指示を仰ぐべきだ。
例文2
○○様から発注後のプラン変更の件について、課長のご意見をいただけますと幸いです。
例文3
そのお客様については、部長のご指示を仰いだ上で、私の方から連絡しよう。
ビジネスにおいて、判断に困ることを周囲に相談するのは大切なことです。
今回の記事を参考にして、上手に「指示を仰ぐ」ことで、きっと日々の業務がもっとスムーズになるはずですよ!
ぜひ、「指示を仰ぐ」を使いこなして職場でのコミュニケーションに役立ててみてくださいね。
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