社会人であれば、常に言葉遣いには気をつけていたいものですね。
しかし、中にはたくさんの言い方があり、どれを選べば正解なのか判断が難しい言葉もあります。
それが、今回ご紹介する
「(事情などを)理解して聞き入れました」という意味の「了解しました」
です。
普通の言葉に直せば「わかりました」ですね。
実は、この「了解しました」という言葉は
敬語として不適切で、目上に対して使うことは失礼にあたる
という説があるのです。
そこで、この記事では
・「了解しました」は本当に失礼なのか
・目上の人にはどのように「わかりました」と伝えるのが正解なのか
ということを、言葉の意味や使い方、例文と合わせてご紹介していきます。
ぜひ最後まで読んで、言葉の知識を深めてくださいね!
目次
「了解しました」は目上に失礼な敬語になる? 丁寧な言い方もチェック☆
「了解しました」は目上に失礼な敬語は間違い?実際に目上の人にも使っても大丈夫?
「了解しました」という言葉が敬語として間違っているという意見を目にすることがありますが、
「了解しました」は丁寧語=敬語として間違ってはいません。
そのため、目上の相手に使っても失礼にはあたりません。
詳しく説明していくと、「了解しました」という言葉を敬語として間違いだとしたのはここ10年前後のことです。
とある本での指摘から、テレビなどで取り上げられるようになり、「目上の人に使うのは適切ではない」という風潮が広まったようです。
ちなみに、「了解しました」とは
「了解」に丁寧語「しました」がついた丁寧語
なので、目上の人に対して使っても問題はありません。
さらに敬意を表したいならば、「しました」を謙譲語の「いたしました」に変えて使用するのがベストですね。
なので、敬語として目上の人に対して使う場合には、丁寧語の「了解しました」よりも、
謙譲語の「了解いたしました」
のほうがよいでしょう。
「了解しました」は目上に対しては避けたほうが無難☆言い換える時の言い方も☆
「了解しました」は確かに敬語表現として間違いではないのですが、
・相手が「了解しました」を正しい敬語と思っているかはわからない
・特に社外の人やお客様など、大切な相手には使うことを避けたほうが無難
ということに注意しておきましょう。
この「了解しました」は敬語表現として正しいのかということは、今も議論になっています。
ちなみに、「了解しました」は丁寧語として、「了解いたしました」は謙譲語として間違いではありません。
しかし、言葉というのは
「受け手がどう捉えるか」
ということが大切です。
「了解しました」について、相手が間違った敬語だと思っていた場合、
「間違った言葉遣いをしている」
「失礼だ」
と思われてしまう可能性があります。
それを、その都度相手に説明して訂正していくというのも無理な話です。
そのため、あまり親しくない相手や、社外の人、お客様などの大切な相手には、「了解しました」を使うのはできる限り避けたほうが無難だと言えます。
なので、「了解しました」を丁寧に言い換えたい時には
・承知いたしました
・承りました
・かしこまりました
といった言葉を使ってみてくださいね。
「了解しました」の意味は「(事情などを)理解して聞き入れました」
「了解しました」とは、
「(事情などを)理解して聞き入れました」
という意味の言葉です。
ちなみに、この言葉は「了解」と「しました」に分けて考えることができます。
「了解」の意味を辞書で見てみると、
物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。
「―が成り立つ」「来信の内容を―する」
(小学館 デジタル大辞泉より)
となっています。
ちなみに、「了承」の意味は、
事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。
「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」
(小学館 デジタル大辞泉より)
です。
そして、「しました」というのは「する」の丁寧語「します」に、過去を表す助動詞の「た」がついた言葉になります。
そのため、「了解しました」という言葉は、
(事情などを)理解して聞き入れました
という意味を持つのです。
「了解しました」のメールでの使い方!
「了解しました」のメールでの使い方と注意点!ある程度親しい相手や返信メールの中で使う☆
「了解しました」をメールで使う時のポイントは
・かしこまった敬語を使うほどではないが、丁寧な言葉で接したい相手(社内の同期や先輩)に対して使う
・相手の要件に対して、「わかりました」という意味合いで「〇〇の件、承知しました」と返信メールに使う
の2点です。
ちなみに、「了解しました」の使い方の注意点は
・目上の人やあまり親しくない相手に対して使うことを避ける
・「かしこまりました」や「承知いたしました」を使ったほうが無難
でしたね。
しかし、「かしこまりました」「承知いたしました」という言葉が過剰な敬語になってしまうこともあります。
それは、社内の同期や先輩といった、
親しいけれども一定のマナーをもって接したい相手に対して「わかりました」と伝えたい場合
です。
このように、ある程度親しい相手であれば、謙譲語となる「かしこまりました」や「承知いたしました」よりも、「了解しました」のほうが自然でしょう。
ちなみに、「了解しました」は主に返信メールに使うことができます。
相手の要件を受けて、
「資料作成の件、了解しました。今週木曜までには完成させます。」
というように、
「あなたの要件はわかりました、引き受けます」
という意味を表します。
ビジネス用語の言い換え表現に強くなる方法とは?
「了解しました」のように、言葉はひとつだけではなく、さまざまな言い換え方があります。
そして、相手やその場の雰囲気にふさわしい言葉を使えると、「できる人」「頭のいい人」「きちんとした人」といった好印象を周りに与えることができるのです。
しかし、相手や場所に合わせて言葉を選ぶというのは、簡単なことではありません。
例えば、仕事中にこんな経験はありませんか?
・一通のメールの中で、同じ言葉を何度も使ってしまった
・話が盛り上がってきて、つい友達同士で使うような言葉が出てきてしまった
・とっさの時に、ビジネス向けの言葉が出てこなくて、普通の言葉遣いになってしまった
・同僚や先輩の受け答えを見て、「そんな言い方があるのか」「そう言えばよかったのか」と感嘆した
そんな方におすすめしたいのが、
『大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる』
という本です。
この本の特徴は、
普段遣いの言葉をどう言い換えれば大人の言葉遣いになるのか
をわかりやすく解説していることです。
また、「わかりました」「すごい」「本当に」などの普段使っている言葉を例に
・会話で品よく見せる時
・お願いする時
といった場面ごと説明しているので、サクサク読めてしまいます☆
しかも、ワンパターン化しないように他の言い換えもたくさん紹介されています。
なので、本を見ながら少しずつ使っていくうちに、たくさんの言葉を覚えられるようになっているのもポイントですね☆
「できる人」への第一歩として、この本と一緒に言葉遣いを洗練させることから始めてみてはいかがでしょうか?
「了解しました」を使った例文を紹介☆
「了解しました」を使った例文には、次のようなものがあります。
例文1
会議の開始時間変更の件、了解しました。
例文2
社長が今日の午後いらっしゃるということは了解しましたが、どのような用件かは聞きましたか?
例文3
了解しました。それでは、明日までに大まかなスケジュールを教えていただけると助かります。
「了解しました」の類語をチェック☆
「了解しました」の類語には、次のようなものがよく使われています。
・承知しました
・承知いたしました
・承りました
・かしこまりました
【1分でわかる!】了解しましたは目上に失礼な敬語、また、意味やメールでの使い方と例文や類語のまとめ
おしまいに、今回ご紹介した「了解しました」の重要な部分をおさらいしておきましょう。
【意味】
(事情などを)理解して聞き入れました
【使い方】
・敬語(丁寧語)として誤りではない
・目上の相手やそれほど親しくない相手には使うことは避けるべき
・類語に置き換えて使う
・親しいが丁寧な言葉で接したい相手(同僚や先輩)には使うことができる
・メールで「○○の件、了解しました」の形で、相手の用件への返信で使うことが多い
【例文】
例文1
会議の開始時間変更の件、了解しました。
例文2
社長が今日の午後いらっしゃるということは了解しましたが、どのような用件かは聞きましたか?
例文3
了解しました。それでは、明日までに大まかなスケジュールを教えていただけると助かります。
【類語】
・承知しました
・承知いたしました
・かしこまりました
言葉遣いが正しいのかどうかというのは、相手や場面以外にも、時代の流れの影響等もあるようです。
しかし、今回の記事を参考にして、「了解しました」とその類語を上手に使い分けて、日々のコミュニケーションに生かしてくださいね!
【今回ご紹介した本はコチラ!】↓
『大人の語彙力ノート 誰からも「できる! 」と思われる』
(齋藤孝 著 / SBクリエイティブ)
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