言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】顛末の意味や使い方とすぐ使える例文!類語や経緯との違いも|ビジネスマナー

ビジネスの場では、「ホウ・レン・ソウ」(報告・連絡・相談)という言葉もあるように、上司や同僚に仕事上の出来事を報告するのは大切なことです。

もし、トラブルや事故が発生した場合には、周りにそのことを伝えてトラブルの対策をしたり、再発防止策を考えたりする必要があるからです。

そして、報告に大切なのは、「何があって、結果どうなったか」を正確に伝えること

そんな時に便利な言葉が、

「最初から最後までの事情」という意味の「顛末」

です。

この記事では、この「顛末」という言葉について、意味や類語のほか、例文を交えて使い方を説明していきます。

また、「顛末」と似た意味の「経緯」との違いなどもあわせてご紹介します。

ぜひ最後まで読んで、ビジネスの場での報告スキルをアップさせましょう!

「顛末」の意味は「最初から最後までの事情」で読み方は「てんまつ」

顛末の意味や読み方

「顛末(読み:てんまつ)」とは、

物事の最初から最後までの事情

という意味です。

辞書で「顛末」という言葉を調べてみると、

《「顛(いただき)から」「末(すえ)」までの意》 事の最初から最後までの事情。一部始終。 「事件の顛末」

(小学館 デジタル大辞泉)

となっています。

ですので、

何らかの物事についての、その始まりから終わりまでの状況

を表すのが、「顛末」という言葉なのです。

「顛末」の使い方

顛末の使い方

「顛末」を使うのは、「誰かに出来事を順序立てて説明したい時」

「顛末」が使われる時というのは、その意味の通りに

「出来事の最初から最後までを説明したい時」

です。

例えば、「お客様から接客についてのクレームを受けた」という出来事があったとしましょう。

この出来事には、

「接客したのは誰なのか」

「いつ、どのように対応したのか」

「なぜお客様が怒ってしまう事態になったのか」

というように、さまざまな情報が含まれています。

そして、その情報を知らせたり、聞かせてもらったりする時に、

「詳しい状況をはじめから順番に」

というような意味合いで使うのが「顛末」という言葉です。

主に、このような表現が使われます。

「事の顛末を教えてください」

「顛末を問いただした」

「顛末をお話しますと…」

「顛末を打ち明けた」

「顛末を見ていました」

ビジネスにおける「顛末書」とは?書き方は?

ビジネスの場で「顛末」の使われ方としては、

「顛末書」

があります。

運転免許やパスポートを紛失してしまった経験がある方は、「紛失顛末書」「てん末書」という言葉に聞き覚えがあるかもしれませんね。

ビジネスにおける「顛末書」とは、一言で言うならば

トラブルの詳細をまとめた報告書

です。

主に

・事故

・手続き上のミス

・商品の不具合

などがあった時に社内に対して作成され、

・トラブルの発生日時

・トラブルの発生場所

・関わっていた人の名前

・時系列順のなりゆき

・トラブルの結果どうなったか

・今後は再発防止に向けてどのような対策をするのか

といった内容を詳しく記載することが求められます。

「顛末書」と「始末書」は同じもの?

さて、「トラブルの結果、書かなくてはならない文書」としては、「始末書」というものもありますよね。

この2つは同じもののように捉えられていますが、次のような違いがあります。

【顛末書】

基本的には「報告書」

・状況を正確に把握することが目的のため、トラブルの当事者が作成するとは限らない
(むしろ、客観的な視点が必要なため、第三者が作成することも)

【始末書】

基本的には「反省文」
(トラブルの内容については、「こういうことをしてしまったので反省しています」という意味合い)

・出来事への反省を促すのが目的のため、トラブルの当事者が作成する

ビジネス文書を書く時に大切なこととは?

始末書や顛末書以外にも、報告書や企画書、手紙にメールと、ビジネスの場において文章を書く機会はとにかくたくさんあります。

しかし、そのビジネス文書の作成を苦手としている方も多いのではないでしょうか?

「ネットでよく見るテンプレート通りに書けない」

「テンプレートがないと何から書き始めればいいのかわからない」

「一生懸命書いたのに、要点がわからないと言われてしまった」

という悩みを抱えている人に、ぜひ読んでいただきたいのが

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ということです。

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そのテクニックは、きっと社会人として大切な財産になってくれます。

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「顛末」の類語は「過程」「いきさつ」「一部始終」など

「顛末」の類語には、

・過程

・いきさつ

・一部始終

・事情

・前後関係

といった言葉があります。

どの言葉も、「顛末」と同じく「ある物事が現在の状態になるまでの過程」という意味を持っている言葉です。

「顛末」と「経緯」の違いは「顛末=現在までの過程」「経緯=過去の記録」

顛末と経緯の違い

「顛末」と同じような意味で使われる言葉には「経緯」もあります。

「顛末」と「経緯」の違いは、

「顛末」

物事が現在に至るまでの過程

「経緯」

過去の出来事の記録

です。

例を挙げますと、

「2012年に東京スカイツリーが完成した」という出来事がありますね。

そして、建設工事は何年から始まって…と過去からの出来事を並べていき、

「東京スカイツリーが完成した」という過去の時点がゴールになるのが「経緯」

「東京スカイツリーが完成し、現在は東京の主要な観光地の一つとして数えられ、また電波塔をはじめとした日々の暮らしに役立つ機能を私達に提供してくれている」といった具合に、

現在はその出来事がどのように影響しているのか、までがゴールになるのが「顛末」

です。

ただし、辞書によっては「経緯」の意味に「顛末」と書かれていることもありますので、この違いにそこまで敏感になる必要はありません。

詳しく突き詰めるとこういう意味の違いがある、ということは覚えておいてくださいね。

「顛末」の使い方を例文でチェックしよう

「顛末」を使った例文には次のようなものがあります。

例文①

顛末を聞いた限りでは、こちらに非があるとは考えられない。

例文②

今回、店長が彼を叱った顛末はこうだ。

例文③

先週発生した事故について、顛末書を作成しました。

例文④

なぜこのような事態になったのか、その顛末をお話します。

【1分でわかる!】顛末の意味や使い方とすぐ使える例文、また、類語や経緯との違いについてのまとめ

いかがでしたか。

最後に、「顛末」という言葉について大事なポイントを振り返ってみましょう。

【読み方】

てんまつ

【意味】

何らかの物事についての、その始まりから終わりまでの状況

【使い方】

・誰かに出来事の状況を始まりから終わりまで伝えたい時に使う

例文①
「今回の事故についての顛末を上司に報告する必要がある」

例文②

「昨日お客様からクレームを受けた件の顛末をお話します」

・ビジネスでは「顛末書」という文書の形式でトラブルなどの状況や対策などを報告する

【類語】

・過程

・いきさつ

・一部始終

・事情

・前後関係

など

【「顛末」と「経緯」の違い】

「顛末」=「現在までの過程」

「経緯」=「過去における過程」

※ただし、同じものだとしている辞書もある

出来事を正確に報告することは、社会人として大切なことです。

ぜひ、今回の記事を参考にして、きちんと顛末を伝えられるようにチャレンジしてみてくださいね。

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