誰かを励ましたり、評価して褒めたいという時に、どのような言葉が浮かびますか?
また、誰かに励まされて「頑張ります!」という気持ちを伝えたい時には、どのように答えればいいでしょうか?
友達同士であれば、「マジですごかった!」「めちゃめちゃ頑張ります!」なんていう言い方でも許されますが、ビジネスの場においてはそうはいきません。
そんな時に使いたいのが、
「十分に能力や特性を出す」という意味の「遺憾なく発揮する」
という言葉です。
よく、スポーツの大会の開会式や選手宣誓などで
「日頃の成果を遺憾なく発揮して~」
という言い回しで聞いたことがある人もいることでしょう。
そこで今回はこの「遺憾なく発揮する」をビジネスの場でも使えるように、意味や使い方、類語といった知識と合わせて、すぐに使える例文もまとめました。
ぜひ最後まで読んで、この知識をビジネスの場で遺憾なく発揮してみてください!
目次
「遺憾なく発揮する」とは「十分に能力や特性を出す」という意味!
「遺憾なく発揮する(読み:いかんなくはっきする)」とは、
「十分に能力や特性を出す」
という意味です。
では、この言葉を「遺憾なく」と「発揮する」に分けて、それぞれの意味を見ていきましょう。
まず、この「遺憾なく」というのは、
「期待通りではなく残念である」という意味の「遺憾」という言葉を使った慣用句です。
その「遺憾」に「なく(=ない)」と打ち消しの言葉をつけることによって、
「遺憾なく」という言葉は
心残りがないほど十分に。申し分なく。 「遺憾無く実力を発揮する」
(小学館 デジタル大辞泉)
という意味を持っています。
そして、「発揮する」という言葉の意味は、
もっている能力や特性などを十分に働かせること。 「職人としての腕を発揮する」
(小学館 デジタル大辞泉)
となります。
ですので、「遺憾なく発揮する」という言葉は、この2つの意味を合わせて
「十分に能力や特性を出す」
となるのです。
「遺憾なく発揮する」の使い方や活用形と類語
「遺憾なく発揮する」の基本の使い方
「遺憾なく発揮する」という言葉は、主に「何かを十分に出す」という意味を伝えたいときに使われます。
そして、人だけではなく物に対しても使うことができます。
よく使われるのは、スポーツ大会の開会式においてよく聞かれる
「日頃の成果を遺憾なく発揮し~」
という言い方ですね。
少し補足説明をしますと、「遺憾なく発揮する」という言葉の基本形は
「(Aは・が)Bを遺憾なく発揮する」
です。
また、Aには人ではなく物をあてはめることもできます。
この基本形を使うと、例えば、
「彼は実力を遺憾なく発揮する」
「この車は機能を遺憾なく発揮する」
といった文が作れますね。
この、「何を」いかんなく発揮するのかというBの部分は、必ず入れて使ってくださいね。
「遺憾なく発揮する」の活用形をチェックしよう
「遺憾なく発揮する」という言葉は、「する」の部分を活用させて
・遺憾なく発揮し
・遺憾なく発揮される
・遺憾なく発揮した
といったように変化させることができます。
なお、それぞれの文法的な意味は、
・遺憾なく発揮し
後に続く内容と対の関係になります。
例文:「実力を遺憾なく発揮し、優勝を勝ち取っていただきたい」
・遺憾なく発揮される
尊敬の表現になります。
例文:「実力をいかんなく発揮されることを願っております」
・遺憾なく発揮した
過去形です。
例文:「先日の大会では実力をいかんなく発揮した」
「遺憾なく発揮する」の類語
「遺憾なく発揮する」の類語は「申し分なく」「余すことなく」など
「遺憾なく発揮する」の類語には、次のようなものがあります。
・申し分なく
・余すことなく
・できる限り
・限界まで
・十二分に
「遺憾なく発揮する」の類語に共通していることは、
「自分の持っている限り、もしくはそれ以上に出せるものは全て出しきる」
という意味です。
「如何なく」は「遺憾なく」の類語ではないので要注意!
「いかんなく」を「如何なく」としている文章を見ることがありますが、これは間違った使い方で類語ではありません。
「遺憾なく」とは意味が違うだけではなく、日本語として意味が通じない文章ができてしまうので注意しましょう。
なぜそうなってしまうのかは、それぞれの意味を確認するとすぐにわかります。
「遺憾なく」=「遺憾(心残り)なく」
「如何なく」=「如何(なりゆき)なく」
このように、「如何」という言葉には「心残りがないように十分に出しきる」といった意味はありません。
また、「~なく」という言葉につなげるのも不自然です。
パソコンの変換に頼っていると間違ってしまうことがあるので、気をつけてくださいね。
「遺憾なく発揮する」などの言葉の使い方に迷った時の解決法とは?
きちんとした言葉づかいは、社会人として大切なものです。
しかし、わかっていても言葉というのはなかなか難しいものですよね。
・意味や読み方を間違って覚えていて、指摘されてしまった…
・その場面にはふさわしくない言葉で、周りの空気を凍りつかせてしまった…
・ビジネス向きの言い方がわからなくて、友達同士のような言葉づかいをしてしまった…
といった失敗の経験がある人は多いのではないでしょうか?
そんな言葉の使い方に迷ったことのあるすべての人におすすめしたいのが、
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という本です。
著者は、日本語の専門家としてテレビに出演することも多い齋藤孝氏です。
その著書の中でも30万部を超える人気となった『大人の語彙力ノート』の第2弾がこの本になります。
この本の特徴は、
とにかく実践的、だけど難しくはない
ということです。
・了解しました ではなく かしこまりました が正しいのはなぜ?
・「犯人のとくちょう」は特徴と特長どちらを使う?
といった内容を、時にはクイズ形式を用いたりしながら、わかりやすい解説とともに紹介してくれています。
そのため、読み物として「そうだったのか!」と楽しみながら読み進めていくうちに、語彙力が身についてしまうこと間違いなしです。
会話で、文章で、「あれ?この言葉ってどっちが正しいんだろう?」と困ったことがある人はぜひ読んでみてくださいね。
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「遺憾なく発揮する」を使った例文
「遺憾なく発揮する」の例文
例文①
初めてのプレゼンで至らないところがあるとは思いますが、今まで積み重ねてきたことを遺憾なく発揮することができるようにがんばります。
例文②
今度の大会では、実力を遺憾なく発揮するとともに、当社の技術力をアピールするつもりでがんばってもらいたい。
「遺憾なく発揮し」の例文
例文①
今回のプロジェクトでは、研修で学んだことを遺憾なく発揮し、独創的な企画をどんどん出してもらいたいと思います。
例文②
田中さんは持ち前の折衝力を遺憾なく発揮し、見事相手にこちらの要件を受け入れてもらうことに成功した。
「遺憾なく発揮される」の例文
例文①
この車の特徴が遺憾なく発揮されるのは、高速走行時に他ならない。
例文②
結局、今年度の人事も社長の辣腕ぶりが遺憾なく発揮される結果となった。
「遺憾なく発揮した」の例文
例文①
彼は実力を遺憾なく発揮したと思いますが、相手先とコミュニケーションを取りつつ信頼関係を作っていくという意識が薄かったようです。
例文②
この織機は、我が社の創設期にその実力を遺憾なく発揮したもので、現在も当時の貴重な資料として保管されている。
【1分でわかる!】「遺憾なく発揮する」の意味や使い方とすぐ使える例文、また、類語のまとめ
いかがでしたか。
今回は「遺憾なく発揮する」という言葉の意味や使い方と例文、また、類語についてわかりやすく解説してきました。
まとめると、「遺憾なく発揮する」という言葉は、
【意味】
十分に能力や特性を出す
【類語】
・申し分なく
・余すことなく
・できる限り
・限界まで
・十二分に
【使い方・例文】
・能力や特性を持っている限り全て出しきる、出しきってほしいという時に使われる
・「AはBを遺憾なく発揮する」というのが基本の形
・「発揮する」の部分が活用すると、次のようになる
「遺憾なく発揮し」
(例文: 彼は才能を遺憾なく発揮し、成功を手にした)
「遺憾なく発揮される」
(例文: 彼の能力が遺憾なく発揮されるのは、交渉の場面だ)
「遺憾なく発揮した」
(例文: 彼はあの難しい交渉の場面で、臆することなくその才能を遺憾なく発揮した)
という特徴を持っている言葉です。
ぜひ今回の記事を参考にして、誰かを応援する場面や評価する場面などで、「遺憾なく発揮する」という言葉を使いこなしてみてくださいね!
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