言葉の意味や使い方と例文

【1分でわかる】折衝力の意味や評価基準と向上のコツ!自己PRでの書き方も|ビジネスマナー

仕事の中で、立場や目的が違う相手と話し合わなければならない…商品の納期や仕入れの価格など、そういった場面はたくさんあります。

そのような場面で、特に役に立つのが

折衝力 = 利害の一致していない相手と話し合いで問題を解決する能力

です。

そして、人事の際に上司から、あるいは、就職活動の際に面接官からあなたの折衝力が評価される基準

・自分の意図を的確に伝える

・相手を納得させる

です。

そして、折衝力を向上させるコツは、

・聴く

・共感する

・伝える

・提案する

という4つのポイントを意識して人と話すことだと言えます。

また、自己PRに折衝力のことを書きたい場合には、

・なぜ折衝力にこだわりがあるのか

・折衝力を活用したエピソード

・それによって得た成果

を軸にすると簡単に書けるようになります。

それでは、折衝力の意味、評価基準、向上のためのコツや自己PRでの書き方について詳しくご紹介していきますので、しっかりマスターして入社試験の突破や昇進など、あなたの目指す目標を達成してくださいね。

衝力とはどんな意味?具体的な使用例も

折衝力の意味や例文

折衝力の意味は利害の一致していない相手との問題を話し合いで解決する能力

折衝力とは、ズバリ

利害の一致していない相手との問題を話し合いで解決する能力

のことです。

この「折衝」という言葉の由来は、さかのぼると中国の故事に行き当たり、「敵の攻撃をくじく」というのがもともとの意味になります。

そして、そこから

「利害関係が一致しない相手と問題を解決するために、かけひきをすること。また、そのかけひき。

(小学館 デジタル大辞泉)」

という現在の意味が発生しました。

折衝力と交渉力の意味の違いは「利害の不一致」と「話し合いの着地点」!例でわかりやすく解説

さて、折衝力と似ている言葉に、「交渉力」というのもありますが、折衝力と交渉力の違い

・相手との利害の不一致があるかどうか

・お互いが納得できるゴールを探すのか、それとも決まっているゴールへの条件をすり合わせていくのか

ということです。

ちなみに、折衝力と交渉力、それぞれの定義を改めて書くと以下のようになります。

【折衝力】

利害の不一致がある相手との問題を解決する時に、双方が納得できる結果を探して、折り合いをつけることができる能力

【交渉力】

同じ目的を持った相手と、何らかの問題に対して双方が妥協できる点を探して、納得できる結論を出すことができる能力

それでは、折衝力と交渉力の違いを、具体的な例を挙げて見ていきましょう。

【折衝力の例】

あなたが家電量販店の店員だったとします。

エアコンを買いに来たお客様が、「欲しかった商品が置いていないので別の店に行く」と言い出しました。

(ここで、お客様=買いたくない(買わない)、店員=売りたいという利害の不一致が起きています)

そこで、あなたはお店のイチオシ商品ではないものの、お客様が希望しているものと同等の機能を持っているエアコンを紹介し、最終的にそれを購入してもらうことができました。

【交渉力の例】

あなたが家電量販店の店員だったとします。

エアコンを買いに来たお客様が、店のイチオシ商品を指して「このエアコンが欲しいが予算オーバーで困っている」と言い出しました。

(ここではお客様=買いたい、店員=売りたいという利害の一致が起きています)

そこで、あなたはできる限りの値引きやアフターサービスなどについて説明し、お客様の予算内には収まらなかったものの、最終的には値引きした商品を購入してもらうことができました。

このように、一見すると折衝力と交渉力は似ているように思えますが、

折衝力:利害の不一致が起こっているシチュエーションにおいて必要とされる

交渉力:何らかの問題に対して結論を出す時に話し合いが必要となるシチュエーションにおいて必要とされる

といった違いがあるのです(つまり、交渉においては利害が一致しているかどうかは問われません)。

また、折衝においてはお互いに折り合いをつける(例では、店員が売ったのは売りたかったイチオシ商品ではなく、お客様が購入したのも希望の商品ではありませんでしたね)というのがゴールになりますが、交渉においてはお互いが納得できる妥協点を探す(例では、商品の価格がそれに当たります)ということが目的となります。

言い換えると、

折衝力:双方の利害が一致しない中で、双方が納得できる結果を探して折り合いをつけることができる能力

交渉力:双方が同じ目的を持っており、それに向かって条件をまとめていくことができる能力

だということになるでしょう。

折衝力と調整力との違いは「対外」か「対内」か!

交渉力の他に、折衝力と区別がしにくい言葉として「調整力」がありますが、違いはズバリ

・「対外」(取引相手や顧客など)とのかけひきで必要となるのが折衝力

・「対内」(自社内の部署やグループなど)で円滑に仕事を勧めるのに必要となるのが調整力

ということになります。

なので、どちらかと言えば自分とは違う集団に属している人(取引先の会社や顧客など)との対立を収めたり、お互いが納得する着地点を探すために必要とされるのが折衝力や交渉力です。

それに対して、調整力が必要とされるのは社内の部署やプロジェクトチームなどの自分が属している集団での意思疎通や見解の統一などを行う場面なのです。

というのも、それぞれの考え方や立ち位置は違っていても、集団でひとつの目的を達成しようとする場合には、その目的をメンバー全員が把握し、納得していなければ成功することは難しいからです。

そのため、メンバー間の意思疎通などを円滑に行うための潤滑剤のような役割を行うことができる能力が調整力であると言えるでしょう。

なお、このような性質から調整力はリーダーシップのひとつとして捉えられることも多々ありますが、折衝や交渉が起こらないようにするための「根回し力」だと捉えられることもあるようです。

つまり、

調整力≒「根回し力」

というわけですね。

衝力の評価基準とは?

折衝力の評価基準

折衝力の評価基準は「考えを的確に伝える」と「相手を納得させる」

折衝力が人事評価などで評価対象となっている場合、その評価基準はズバリ

・相手に自分の考えを的確に伝える

・相手を納得させる

という2点になります。

というのも、実際の人事評価などにおける折衝力の評価基準をいくつか挙げてみると、次のようになるからです。

・意図する考えや内容に沿って相手を円満に理解、納得させる

・立場や意見の異なる相手に自分の考えや意図を伝え、説得できる

・相手の意志を尊重しながら、こちらの意思を相手に納得してもらえる形で伝える事ができる

すなわち、

立場の違う相手に対して、自分の考えていることを的確に伝え、納得してもらうことができるかどうか

ということが、折衝力の評価基準となっているようです。

折衝力の自己評価の仕方も「伝える」「納得させる」を基準に考えよう!

折衝力を自己評価する場合には、

・利害の一致していない相手に対して、自分の考えをきちんと伝えることができた

・その相手に対して、自分の意見を押し付けたり、相手の意見をこちらが折れる形で受け入れたのではなく、お互いが納得がいく解決をすることができた

という2点について、日々の業務を思い返してみた時に当てはまることがあれば、折衝力が発揮されたということです。

特に、後者の方はなかなか難しいと思いますので、これがうまくできたと感じているならば自分の強みのひとつに「折衝力」を加えてもいいかもしれませんね。

衝力を向上させるには「聴く力」「理解する力」「説明する力」「提案する力」を意識して高めよう!

折衝力を向上させるコツ

折衝力を磨くためには、次の4つのポイントを日々の業務や生活で意識しましょう。

1. 聴く力:相手の主張・心情を読み取る力を養おう

2. 理解する力(思いやり):相手の意図を正確に読み取り、共感できるようになろう

3. 説明する力:自分の主張を正しく伝えられるようになろう

4. 提案する力:双方が納得できる案を考え、伝えられるようになろう

まず、1の聴く力とは、相手の主張をただ聞くというだけではなく、相手の表情や言葉のトーンまで意識することが大切です。

そして、相手の主張や心情を理解し、それに共感を示すことが2の理解する力、思いやりとなります。

続いて、相手の主張を理解したら、自分の主張も正しく相手に伝えなければなりませんので、3の説明が必要となりますが、ポイントは「なるべくシンプルに伝える」ということです。

というのも、人は自信がない事を説明する時に、その不安から言葉をたくさん並べてしまいがちですが、それでは相手が核心を理解するまでに時間がかかってしまうからです。

かといって、言葉が足りないのも誤解を招いたりすることがありますので、相手の失礼にならない程度に核心をきちんと話すようにしたいものですね。

さて、お互いの主張を理解し合うだけでは折衝のゴールにはたどり着けませんので、最後には4の提案する力が必要となります。

つまり、お互いの主張を理解した上で、どちらもが納得の行く案を臨機応変に提示することができる力です。

そのためには、普段から他の人の対応の仕方を見聞きして自分の中の引き出しを増やしたりすることも大切です。

折衝力の研修ではロールプレイで対話スキルを磨く

折衝力を学ぶ研修では、

・講義

折衝において必要な対話のスキルについてなど

・ロールプレイング

相手役に実際に折衝を行ってみる

・ディベート

課題に沿って受講者同士で最善策を話し合う

といった内容が主となります。

なお、講義においては

・下地となる情報収集の方法や人間関係の構築方法

・交渉や折衝の基本となる話し方や聴き方の演習

・対立を避けるための提案スキル

などのレクチャーがあり、より効果的な対話スキルを学ぶことができます。

やはり、「人の話をよく理解する」「的確に相手に伝える」「相手を納得させる」というのは、誰にでもできそうに思えますが、実際にやってみるとなかなか難しいものです。

なので、このような研修の場で理論を学ぶ機会があればぜひ参加して、仕事で実践していけるようにしたいものですね。

衝力を自己PRで書く時は「こだわり」「実績」「成果」を軸にしよう

折衝力を自己PRで書きたい場合、次の3つの軸に沿って書くとうまくまとめられるかと思います。

【折衝力を自己PRで書く時の3つの軸】

1. 自分は折衝になぜこだわりがあるのか

「聴く」「理解する」「説明する」「提案する」のどこが得意か具体的に挙げられるとより良いです

2. その得意なことを活かして、今までの仕事や生活でどのように行動し実績をあげたか

具体的で簡潔なエピソードを書きましょう

3. そして、その行動からどのような成果を得たのか

折衝力をどのように希望する仕事に活かせるのかアピールしましょう

詳しく説明していくと、自己PRを書く時に、どんな内容であっても必要となるのは基本的に次の3つです。

A:自分は何が強みで、どのような点にこだわりや情熱を持っているのか

B:それを実際の仕事や生活に活かしたのはいつ、どのような時か

C:そのことによって、どのような成果が得られたのか、あるいは、これから、会社に対してどのように貢献していけるのか

これを折衝力に当てはめると、最初の3つの軸になります。

まずは1~3の答えとなる3つの文を用意し、その間をつないだり、理由などを補足する文を付け加えるようにしてみてください。

また、こだわりやこれからの貢献について述べる際には、「なぜそう考えるのか」という理由の部分にも触れることができるとより伝わりやすい文章になります。

そして、最初に聴く力を得意だと言ったのに、実績のエピソードでは提案にスポットを当ててしまうといったような、内容のねじれにも注意してくださいね。

【1分でわかる!】折衝力の意味や評価基準と向上のコツ、また、自己PRでの書き方についてのまとめ

いかがでしたか。

衝力とは、

利害の一致していない相手と、話し合いを通じてお互いが納得できる形で問題を解決できる能力

を指します。

そして、その評価においては

・自分の意図を的確に伝える

・相手を納得させることができる

という2つの点が評価基準として重視されています。

また、これらの2点以外にも、

・相手の主張や心情を正確に聴き取る力

・お互いが納得できる提案を臨機応変に行う力

を磨くことで、折衝力の向上が見込めるでしょう。

なお、自己PRでは折衝力に求められるこれらのポイントのうち、

・どれが得意なのか

・それを使って会社にどのように貢献していけるのか

ということを、実際に自分が経験したエピソードを交えて書くと、より効果的にPRできると思います。

ぜひ、自分の意図が的確に伝わる自己PRを目指してみてくださいね。

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