「どうしても外せない予定があって仕事を休まなければならない…」
「その日は都合が悪くて招待を断らないといけない…」
このように、仕事を休んだり、誰かの招待を断ったりしなければならない時というのは、仕事においてはよくあることです。
また、仕事だけではなく、お子さんの幼稚園や小学校への行事参加やPTAの集まりといった場面でも休んだり、断ったりする必要が出てくることがありますよね。
しかし、
「休む理由ははっきりと言いづらい…」
「休むことであまり波風を立てたくない…」
という具合に
「どうやって休むということを上手に伝えればいいのか」
悩んでしまうという方も多いのでは?
そんな時に覚えておきたいのが「所用のため欠席」という言葉です。
この言葉を上手に使えば、「休む」という意思を相手に配慮しながら伝えられるようになりますよ。
そこで今回は、「所用のため欠席」の意味や使い方だけではなく、ビジネスでの実用例、そして幼稚園や小学校を休む時に覚えておきたいポイントまでしっかり解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、波風を立てずに自分の意思を上手に伝えられるようになりましょう!
目次
「所用のため欠席」は「用事のため欠席」の意味!
「所用のため欠席」という言葉の意味は、「用事のため欠席」となります。
なぜかというと、「所用」という言葉の意味を辞書で調べると、
1 用いること。用いるもの。
2 用事。用件。「所用のため外出する」
(小学館 デジタル大辞泉)
となっているからです。
ちなみに、「所用」という言葉を1の意味で使うことは多くはありません。
ですので、「所用」という言葉が出てきたら「用事」に置き換えて考えるようにしましょう。
「所用のため欠席」のメールや会話での使い方!
「所用のため欠席」の使い方の文例はこうなる!
「所用のため欠席」という言葉を使った文例は次のようになります。
例文①
7月2日、3日は所用のため欠席しますので、何かあれば携帯に連絡をください。
例文②
あいにく、その日は所用のため欠席いたします。
例文③
この度は○○(同窓会など)の案内をいただきありがとうございます。
例文④
残念ながら、今回は所用のため欠席させていただきます。
どの例も、なんとなく聞いた覚えがある言い回しではありませんか?
しかし、これらの例文での「所用のため欠席」は、少しずつニュアンスが違っているんです。
次からその違いを詳しく説明していきますね。
「所用のため欠席いたします」以外にも!丁寧な表現を使い分けよう
先ほどの例文には
1: 「所用のため欠席します」
2: 「所用のため欠席いたします」
3: 「所用のため欠席させていただきます」
という3つの表現がありましたね。
この3つの表現の違いは「丁寧さ」で、1<2<3の順により丁寧な表現になっています。
詳しく説明すると、
1:「~する」を丁寧語に言い換えた「します」
丁寧語とは、目上の人を敬う表現です。
2:「~する」を謙譲語に言い換えた「いたします」
謙譲語とは、自分の立場を下げる(=へりくだる)ことで、相手への敬意を示す表現です。
ただし、ビジネスにおいては謙譲語としてというよりも、単に「~する」という意味で使われることも多い言葉です。
3: 「~する」の特殊な謙譲語表現「させていただきます」
「させていただきます」という表現は、
・相手に許可を受けて「する」ようなこと
・その許可によって自分が恩恵を受けること
この2つを満たすときに使います。
そのため、2の「いたします」に「許可を求める」という意味が上乗せされている分、より丁寧な表現です。
しかし、使う場面の判断が難しく、相手の受け取り方によっては無礼な印象を与えてしまうこともありますので注意しましょう。
さて、このようなややこしい敬語の使い分けや、電話やメールの応対など、ビジネスには独特のマナーがたくさんあります。
そして、それらのマナーをひとつずつ、仕事をしながら覚えて使いこなすのはなかなか大変ですよね。
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・電話、メール、来客応対
・会食
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と、ほぼすべてのビジネスマナーが網羅されており、まさに「教科書」というタイトルにふさわしい充実ぶりとなっています。
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・ビジネスマナーをきちんと身につけたい
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といった方は、ぜひお手にとってみてくださいね。
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ビジネスで「所用のため欠席」を使っていいのは事前に休暇を申請する時や約束や招待を断る時
ビジネスで「所用のため欠席」を使うべき時には、次のような場面が挙げられます。
・事前に休暇を申請する時
・相手との約束や招待を断らなければならない時
まず、事前に休暇を申請する場合には、上司に口頭やメールで連絡し、所定の書類などを合わせて提出するようにしましょう。
また、体調不良などで急に休むことになってしまった場合には、単に「所用のため欠席」ではなく、なぜ欠席するのかをきちんと伝えてくださいね。
そして、相手との約束や招待を断らなければならない時に使う「所用のため欠席」には、相手への配慮も含まれています。
極端な例ですが、体調不良や葬儀で休むと伝えた場合、相手には
「そんなに具合が悪いのだろうか」
「葬儀に参列したほうがいいのではないか」
と心配をかけてしまうことになりますよね。
そのため、単に「用事がある」という意味の「所用」を使い、詳しい内容を伝えないことで相手の気持ちに負担をかけないようにするというわけです。
そして、断らなければならない事情がある場合や、そうした事情が急にできてしまった場合には、それがわかった時点で早めに欠席の連絡を入れ、約束や招待をしてくれた相手への感謝や謝罪を伝えるようにしましょう。
幼稚園や小学校を「所用のため欠席」する場合、どう伝えればいいの?
幼稚園や小学校で「所用のため欠席」はダメ!できるだけ「所用のため」よりも具体的な内容を伝えよう!
幼稚園や小学校で「所用のため欠席」を使わなければいけないのは、
・自分(親)がPTAなどを欠席する
・子供を親の都合で欠席させる
といった場合が考えられますが、
「所用のため」とせずに、できる限り具体的な内容を伝えることをおすすめします。
例を挙げると、
・仕事のため欠席いたします。
・遠方に住む父方の祖母が入院したため、お見舞いに連れて行こうと思いますのでお休みさせていただきます。
・通院のため、お休みさせていただきます。
といったように、何をするために休むのかがある程度わかるような書き方がいいでしょう。
ただし、具体的な内容を述べたくないからと仮病を使うといったような、事実とは違う内容を伝えるくらいなら、「所用のため欠席します」と伝えましょう。
なぜかというと、幼稚園や小学校では、クラスという単位で集団生活を送っている関係で、子供も親も個人の行動が注目されやすいからです。
そして、そんな環境の中で「所用のため欠席します」とだけ言われてしまうと、周りから不要な注目を集めてしまうこともあります。
また、その場しのぎで事実とは違う内容の連絡をしてしまった場合、お子さんにもそのウソを幼稚園や小学校で通してもらうことになってしまうわけです。
これは、親としてはあまり考えたくないことですよね。
もちろん、幼稚園や小学校によって差はありますが、最悪の場合はトラブルの原因となることも考えられますので、差し支えない程度に内容を伝えるようにしましょう。
子供を親の「所用のため欠席」させるのはアリ?ナシ?
さて、仕事の都合で平日にしか休めないといった場合に、幼稚園や学校を休ませて旅行やレジャーを計画するといったことがあるかもしれませんが、これはアリでしょうか?それともナシでしょうか?
結論から言うと、
親の都合で幼稚園や小学校を休ませるのは極力避けたほうがいい
と言えるでしょう。
というのも、幼稚園や小学校(特に低学年)では、ひとつのもの(絵や工作、作文などの作品)を長い時間をかけて少しずつ作っていくことが多いからです。
そのため、欠席することによって遅れが出てしまうと、お子さんだけが他の子とは違うことをしなければならなくなります。
お子さんによっては、「みんなと同じことができない」ということが心の負担になってしまうこともありますので、きちんと配慮してあげたいものですね。
ですので、
・お子さんの予定をきちんと把握する
(大きな行事はもちろん、その前後にも欠席するのは避ける)
・仮病を使ったり、ウソの連絡をしない
(旅行など、はっきり言うのは気が引けるという時には「所用のため欠席します」「家事都合により欠席します」などの表現を使いましょう)
というポイントをしっかりと押さえるようにしましょう。
【1分でわかる!】「所用のため欠席」の意味や使い方とビジネスメールでの文例、また、幼稚園や小学校を休む時についてのまとめ
いかがでしたか。
「所用のため欠席」というのは、「用事のため欠席」という意味です。
なお、ビジネスメールでは、
・所用のため欠席いたします
・所用のため欠席させていただきます
のように、敬語を伴って使われます。
また、主に使われるのは
・休暇を申請する
・約束や招待を断る
(断る理由を具体的に述べたくない)
といった場面です。
そして、幼稚園や小学校を休む場合には、
・余計なトラブルを避けるため、「所用のため欠席」よりはできる限り具体的に欠席理由を伝える
・仮病や事実とは違う内容を伝えるくらいならば「所用のため欠席」を使う
・親の都合で子供を休ませる場合には、幼稚園や小学校の行事予定に注意する
といったことが大切になります。
それぞれ通っている園や学校によってルールが設けられていることがほとんどだと思いますので、それに合わせるようにしてください。
それでは、ぜひ今回の記事を参考にして、相手に配慮した休みの申し出をマスターしてくださいね。
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